【全起こし】阿部サダヲが松坂桃李と竹野内豊に「殺してやりたい」!?映画『彼女がその名を知らない鳥たち』完成披露試写会 舞台挨拶レポート全文掲載!

MC:綺麗になりに行く場所で汚くされるっていうね。普通ではないことですからね。そして松坂さんが演じた水島は、誠実そうなルックスとは裏腹に薄っぺらい言葉をささやいてですね、妻子があるにもかかわらず蒼井さん演じる十和子と関係を結ぶという、これまた最低なキャラクターだったと思うんですが、脚本を読んだ時、水島に関してどのように思いました?

松坂:ゲスだなーと、その一言に尽きますね。本当にペラペラで、多分女性の敵だなと。観ていただければわかると思うんですけど、それくらいペラペラペラ男です。

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MC:なかなか軽薄なキャラクターですが、この質問しづらいですが、共感できた部分ってありました?

松坂:(笑)。共感できたら終わりだなというか、今回男性の方もいますけど、もしかしたら共感する方もいるのかもわからないですけど、僕は共感しちゃったら…。この役は結構なものだぞっていう。

白石:でも何も説明しなくても、ああなってたよね。

松坂:いやーなんでしょうね(笑)。それは自分なりに考えてやってたんです(笑)。この時点でもうペラペラですよ。この時点でだいぶ薄い感じなんですけど、それくらい本当に薄い男です。

MC:これだけハードル下げたので皆さんどれだけ薄い男が出てくるのかね(笑)、ルックスはね、松坂さんかっこいいんですけどね。

松坂:いえいえ。監督が(役を)振ってくださって嬉しかったので、「すぐにやりたいですと」。でも、監督は最初「なんで受けたの?」って言ってましたよね。(笑)

白石:受ける理由が見つからないなと。僕が松坂桃李だったら。

松坂:面白そうだなと思ったんで、ここまで薄っぺらい男もなかなかできないんで。ぜひやらしてくださいってことだったんで。

MC:そういう役ができるのが映画ですしね、うん。そして竹野内さんが演じている黒崎なんですが、この男性は物語のカギを握っている男ですね。野心家で自身の出世のために十和子を利用して別れる時に彼女の心にも体にもひどい傷を負わせたっていう。かなり下劣な男なんですけど、彼を演じるうえで苦労はなかったですか?

竹野内:苦労というか…白石監督の素晴らしい作品でキャストもこれだけ豪華な皆さんが揃っている中で、俺、ちゃんとできるかなって不安はあったんですけど、監督が結構的確なヒントを与えてくださるんですよね。色々助けていただきましたし、とにかく白石監督の現場は楽しんですよ。撮影期間中は幸せでした。苦労というより幸せな時間でしたね。

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MC:監督はどのように黒崎の演出をされたんですか?

白石:僕、結構クズがいっぱい出てくる映画撮ってるんですけど、その中でも歴代ナンバーワンのクズだったので、(会場爆笑)それを竹野内さんにやっていただけることはすごいテンション上がりましたけど、一つ一つどういう経緯になってこうなった、まあ映画に描かれていないことも何となく想像しながらディスカッションして作っていたかなと思います。

MC:先ほどから皆さん仰ってますように、なかなか共感できないキャラクターたちが集まっている映画なんですが、監督は皆さんにどのような話をされてどんなふうにキャラに色を付けていったのですか?

白石:ここまでさんざんクズだゲスだ言ってますけど、実はそう思ってなくて、ちょっとずつ人間味があるところがあったので、そこを抽出しながら、多少お客さんには、蒼井さんと話したのは「どこまでお客さんに嫌われていいのかな」っていうことは言われてたんですけど、それをどこまでの範囲でやって、ただ観終わった後、絶対美しい映画にする自信はあったので、そういう意味ではリアルにやりながらもちょっとだけキャラクターを気にしてやっていただけたらなということですかね。でも、桃李君のゲスっぷりには何にも言わなかったです。(会場爆笑)

松坂:言ってたと…思うんですけどね…(笑)。

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