吉岡秀隆、23年ぶりに共演した後藤久美子に告白「恋をしていました。寅の甥なので、いたしかたない(笑)」

1969年8月27日に第1作が劇場公開された映画『男はつらいよ』シリーズ。そのシリーズ50作目となる吉岡秀隆主演の新作映画『男はつらいよ お帰り 寅さん』が、第1作の公開から50周年を迎える本年の12月27日より公開となる。このほど、10月28日にEX THEATERにて、第32回東京国際映画祭オープニング上映舞台挨拶が行われ、キャストの倍賞千恵子、吉岡秀隆、後藤久美子、前田吟、夏木マリ、浅丘ルリ子、山田洋次監督が登壇した。

1997年公開の第49作『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇』以来、22年ぶりの本作は、車寅次郎の甥・満男と、満男がかつて思いを寄せたイズミのその後の物語。別々の人生を歩んできた二人を軸に、さくらや博、そしてくるまやを囲む人たちの今が描かれる。

「寅さん」ファンの温かい拍手で迎えられて、壇上に登場したゲスト陣。山田監督は「50年前に『寅さん』シリーズの第一作が公開されました。ごく普通の映画として上映されましたので、まさか50年後にこのような晴れ晴れしい場所で第50作品目を上映することになるなんて、夢にも想像していなかった」と感慨深げな表情。続けて山田は、「この映画は50年かけて作った映画なんだと。そのことだけは僕は自慢してもいいんじゃないかと思ってます」と完成した作品に自信をみせた。

「私も50年かけて、さくらを演じてきました」という倍賞。「私はお兄ちゃんからいろいろなことを教えてもらったんだけど、お芝居を教えてもらった記憶がまったくない」という。続けて「お兄ちゃんは馬鹿だなと言われる立場にいましたが、人間にとって何が大切かを教えてくれた人だとずっと思っています」と、故・渥美清演じた寅次郎との懐かしい思い出を振り返った。

満男役の吉岡は「時が経つのは早いものですね」と客席に語りかけ、「この作品の撮影の時は、平成だったと思いますが。気づくと令和になっていて。今日来てくれたお客さんは令和という時代に最初に寅さんに出会える人たちなんだなと思うと、とてもうらやましく思う」と笑顔で語った。

満男の初恋の人・イズミ役を演じた後藤は「またこのように自己紹介をする日が来るとは夢に思っておりませんでした(笑)」と笑顔で挨拶。23年のぶりの出演について「吉岡くんがいてくれたおかげで、撮影が順調に進んだのだと思っています」と述べ、吉岡に「どうもありがとう。吉岡くん本人と吉岡くん演じる満男くんがいなかったら、撮影を楽しむことはできなかったと思います」と感謝の言葉を伝えた。これに吉岡は「どうしたの〜?(笑)」と照れ笑いを浮かべつつ、後藤に「恋をしていました。それはおそらく、僕は寅の甥なので、いたしかないこと」と笑顔で告白し、会場を温かい笑いで包んでいた。