セクハラ騒動のケヴィン・スペイシー、12月全米公開のリドリー・スコット監督作から出演シーンを削除!クリストファー・プラマーが代役へ

12月22日に全米公開予定のリドリー・スコット監督のスリラー映画『All the Money in the World オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)で、ケヴィン・スペイシーの出演シーンが削除されることがわかった。先日、スペイシーが過去に複数の男性にセクシュアル・ハラスメント行為をしたことが明らかになり、ハリウッドで波紋を呼んでいた。The Hollywood Reporterが伝えている。

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The Hollywood Reporter

『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』は、1973年に起きた16歳のジョン・ポール・ゲティ三世の誘拐事件を描き、スペイシーは、その父親である実業家のジョン・ポール・ゲティを演じていた。スペイシーの代役は、『サウンド・オブ・ミュージック』などの作品で知られるクリストファー・プラマーが務め、再撮影が行われる予定だ。

本作は、11月開催のAFI(アメリカン・フィルム・インスティテュート)映画祭のクロージングナイト上映作品であったが、監督のスコットの要求によって中止となった。12月22日に全米での公開を控えているが、現時点では撮り直しによる公開延期の予定はない。

スペイシーの降板は、スコットが最終的に決定し、製作会社のソニー・ピクチャーズのみが知っていたという。スペイシーの代役を務めるプラマーは、最初にジョン・ポール・ゲティ役の候補に挙がったが、製作サイドが大物俳優の起用を避けたかったようだ。

スペイシーは8日間で本作の撮影を行い、その多くがスペイシーのみが映るシーンであった。本作には、マーク・ウォールバーグとミシェル・ウィリアムズが、それぞれジョン・ポール・ゲティの弁護士役と娘役で出演するが、2人も再撮影を行うと言われている。

この作品のスペイシーの登場シーンでは複雑なVFX(ビジュアル・エフェクツ)が施されたため、再撮影に加えて編集作業も大きな問題となる可能性がある。VFXを担当した製作会社には、ディズニーの実写映画『ジャングル・ブック』でアカデミー賞視覚効果賞を受賞したMPC(ムービング・ピクチャー・カンパニー)などが参加している。

スペイシーが出演する作品に関しては、Netflixがスペイシー主演のTVシリーズ『ハウス・オブ・カード』のシーズン6の製作を一時中止することを発表した。また、小説家や脚本家として活躍したゴア・ヴィダルを描くスペイシー主演の映画のプロモーションも中止となった。

10月末、スペイシーがTVシリーズ『スター・トレック:ディスカバリー』に出演しているアンソニー・ラップに対し、過去にセクシュアル・ハラスメント行為をしたことが明らかになり、自身のツイッターで謝罪した。その後も複数のセクハラ行為が発覚し、元TVキャスターのヘザー・アンルーが、自身の18歳の息子が昨年スペイシーにハラスメント行為を受けたと告発したほか、スペイシーが理事を務める英ロンドンのオールド・ヴィック・シアターの近くで働いていた元バーテンダーも被害を訴えている。