【全文掲載】佐藤二朗「“怪物”としか言いようがない。エライのがおるなあ!」監督も驚かせた16歳の若手女優とは!?

MC:ありがとうございます。佐藤さんは、今回の役は演じられていかがでしたか?

佐藤:実は片山慎三監督とは、19年前にBS-TBS、当時はBS-iだったんですけど開局間もないときに、「アイノウタ」という池内博之さん主演のドラマがあって、それに僕が出ていたんですよ。その制作に、右も左も分からないあんちゃんで、人というよりほぼ猿だったんですよ。話が面白いんで、記憶があったんですけど、その何年後かに「『岬の兄妹』を自腹で撮ったすごい映画がいる」と聞いて、「観なければ。片山監督、覚えておこう」と思っていて、僕の中では19年前、人というよりは猿だった片山と、この監督とは結びつかなくて。ところがある日、手紙をいただいて、「自分の商業デビュー作となる次の作品で、二朗さんに主演をお願いしたい。二朗さんであてがきしました」ということで、そこで初めて同一人物だったことが分かったんです。で、本がすごく面白くて、原田智というどこにでもいしそうな中年男が、誰にでも起こり得るけど、誰にも起こって欲しくない状況に追い込まれるんですけど、役者としてはメンタルがきつくて、勇気が必要だったんですけど、そんなものは粉砕するぐらい、ぜひやりたいと思わせる本だったんですね。手紙で監督の熱意も伝わったので、「やります」と言いましたね。

MC:佐藤二朗さんのイメージがガラリと変わるような役ですよね。そんなお父さんを探す娘の楓役を演じました伊東さん。撮影現場で印象的だったエピソードはございますか?

伊東:印象的だったこと…。

佐藤:大丈夫? 割と普通の質問だったと思うよ?

伊東:印象的だったのは(笑)、追いかけるところで、私が自転車に乗りながら、自転車のかごに入ってるカンカンを投げながら運転してたんですけど、それがタイヤに巻き込まれて、ちょっと怖かったなっていうのが話したかったです…(笑)。

佐藤:あの…ちょっと今度ファミレス行って話そうか(笑)。すかいらーくに行って。

MC:清水さんは、振れ幅のある役でしたけど、苦労されたことはありましたでしょうか?

清水:プロモーションの時点で連続殺人鬼っていうキャラクターを皆さんに知られている中で、ただ殺人鬼として怪しいだけでも面白くないと思うので、普通の青年として普通の人間として生活している様だったりとか、いざ人を手にかける時にモードに入る瞬間の切り替わりだったりとかって部分に関しては、すごく意識をして現場に臨んだ部分でもあるので、目つきだったり、しゃべるトーンやスピードだったりに気を使って、監督とその都度、相談をしながら作っていきましたね。かなり気持ち悪いと思います(笑)。

MC:森田さんは、不思議な役柄でしたが、どんなことを考えながら演じていましたか?

森田:監督と話していたのは、やっぱり自殺をしてしまう役ではあるけども、明らかに「自殺してしまうよな」っていう雰囲気ではないと言うか、「どうして、この人が?」っていう一面と、「辛くて、私は今不幸なんだ」って言葉にしなくても伝わる一面を、矛盾してることではあるんですけど、同時に印象として残したいってことは話しながらやってました。