【全文掲載】佐藤二朗「“怪物”としか言いようがない。エライのがおるなあ!」監督も驚かせた16歳の若手女優とは!?

MC:では(笑)、監督はいかがですか?

片山:この映画にちなんだことで言うと、楓役のオーディションをやる予定だったんですけど、オーディションをやる前に「大阪出身の女優さんがいるので、会いませんか?」と言われて伊東さんにお会いして演技をしてもらったら、その時に衝撃を受けて。上手くて。もう、この後、何百人見ようが、この子で決まりだなと思って、僕は結構優柔不断なんですけど、その場で「決まりでいいです」と即決したんで、それが衝撃でしたね。なかなかないことですけど、それくらい天才と言ってもいいくらい伊東さんはすごいので。

佐藤:ファミレス女優ではないわけですよね。怪物だと思うよ。この世代で、この感性とこの技術。僕は怪物としか言いようがない。片山から「いいですよ」と言われてはいたんですけど、撮影一日目で、エライのがおるなあ!って思いましたね。

MC:どうですか伊東さん、こう言われますが。

伊東:ちょっと恥ずかしいですね(笑)。ありがとうございます(笑)。

MC:ありがとうございました(笑)。それでは最後になります。佐藤二朗さんと監督より一言ご挨拶をいただけますでしょうか?

佐藤:「非常に重い映画で、体力がいる」というご意見もいただくんですけど、たしかに人間の暗部を描いてるんですけど、エンターテイメント作品として先が読めない展開で楽しめると思います。映画に詳しい方も、普段映画を観ない方も、いろいろな方に刺さる作品だと思いますので、ぜひ口コミで広げてください。あと、20年末は猿だった男がですね、『岬の兄妹』というのを自腹で撮って、商業デビューができてこの場にいるという、こんなことがもっと起きればいいのにと思いますね。日本映画界全体で考えても、良いことだと思うので、ぜひお引き立てをお願いします。やっとまともにしゃべった、最後で(笑)。

片山:心血を注いで作った映画なので、観て楽しんでいただけたらなと思うのと同時に、今日が初めてお客さんに観ていただける場なので、良かったと思った方は、ぜひ広めていただきたいなと思います。よろしくお願いいたします。

『さがす』
2022年1月21日(金)より、テアトル新宿ほか全国公開
監督・脚本:片山慎三
共同脚本:小寺和久 高田亮
音楽:髙位妃楊子
出演:佐藤二朗 伊東蒼 清水尋也 森田望智 石井正太朗 松岡依都美 成嶋瞳子 品川徹
配給:アスミック・エース

【ストーリー】 大阪の下町で平穏に暮らす原田智(佐藤二朗)と中学生の娘・楓(伊東蒼)。「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」。いつもの冗談だと思い、相手にしない楓。しかし、その翌朝、智は煙のように姿を消す。ひとり残された楓は孤独と不安を押し殺し、父をさがし始めるが、警察でも「大人の失踪は結末が決まっている」と相手にもされない。それでも必死に手掛かりを求めていくと、日雇い現場に父の名前があることを知る。「お父ちゃん!」だが、その声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。失意に打ちひしがれる中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった…。

©2022『さがす』製作委員会