【全起こし】『アサシン クリード』 斎藤工、憧れは高床式住居、抱負はキノコ栽培、『ガキ使』出演はハイリスク・ローリターン

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2017年3月3日(金)に公開を控えたアクション映画『アサシン クリード』。本作の大ヒット祈願イベントが東京の赤城神社で行われ、主演の吹き替えを担当する斎藤工が登壇、MCとトークを繰り広げた。今回はその模様をお届けする。

斎藤:明けましておめでとうございます。成人式は15年前だったんですけど、そこから全く成長してないことに気づきまして……。今年は酉年で年男なので飛躍の一年にしたいと思っております。本日は朝からありがとうございます。

MC:斎藤さんはゲームシリーズの「アサシン クリード」は知っていらしたのですか?

斎藤:存在は知っていました。熱心にプレイしているタイプではなかったんですけど、今作の主演であるマイケル・ファスベンダーが、プロデューサーになってまでこの作品を作りあげたシリーズなので、とても魅力的な濃度の濃いストーリーの上にあるゲームだと思います。今回の映画でさらに興味を持ちました。

MC:主演はマイケル・ファスベンダーということですが、映画好きの斎藤さんからすれば、彼が主演するということだけでもさらに興味が沸くんじゃないんでしょうか?

斎藤:そうですね。彼こそ世界的にも本当に妖艶な俳優さんなので。彼のセクシーさだけが取り沙汰されるんですけど、ものすごく実力のある方。今回の役もアクションの多い大変な役だったと思うんですけど、素晴らしかったですね。

MC:マイケル・ファスベンダーの吹き替えを自分がやった感想は?

斎藤:実年齢は僕のほうが若いので、そこの整合性をとらないといけないなと思って、若干自分の発する声も低めというか、普段の僕のテンションでやってしまうとボソボソしてしまうので、近くにいる相手と会話しているんだけど、遠くに声をかけるというか、アフレコ特有の技術を監督と話し合いながら追求しました。

MC:この作品世界観を少し伺ってもいいですか?

斎藤:ルネッサンス期のスペインが舞台になってまして、建物とかマップが実際の歴史に基づいた、建築や位置関係が大前提にあるので、全てがフィクションではないんです。主人公のカラム・リンチというのはアサシン教団という教団に入ってまして、敵対するテンプル騎士団との対立が描かれます。孤高の戦士ではあるんですけど、仲間のために闘うという、カッコよく、とてもしびれるヒーロー像でしたね。

MC:決して饒舌な主人公ではないんですよね?

斎藤:そうですね、アクションが多いってことも多いんですけど、「(うめき声)」っていうのが多かったですね。いろんなパターンのうめき声を、年末にスタジオの中で録ってましたね。

MC:(笑)それも初めての体験でした?

斎藤:そうですね。吹き替えは、「その人のキャラクターをセリフとともに表現する作業より、呼吸音だったり台本に落とし込まれていない部分が主」だと監督に教えられました。

MC:作品を見終わってから知って驚いたんですけど、この映画はほとんどCGを使ってないということなんですが。

斎藤:本当にかなり危険なシーンが多いので、恐らく怪我もしただろうけど、やっぱり映画のスクリーンで嘘をつかないことによる効果や、監督を推薦したのもマイケル・ファスベンダーだったり、徹底的に揺るぎない作品を作ろうという意思が感じられます。イーグルダイブっていう特徴的なこのシーン(ポスターを指しながら)だったり、飛翔するシーンが多くて。3Dでも上映があるので、劇場型、体験型の作品に仕上がってると思います。

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MC:さらには名優たちが演じる人間ドラマもかなり重厚だと思うのですが。

斎藤:いろんなキャラクターに感情移入できるんじゃないかなと思います。

MC:いち映画ファンとして観てもワクワクした映画だったんじゃないですか?

斎藤:そうですね。数年前では作れなかったような技術的なところもそうですし、同時にアナログの強さ、現代だからこそ効果的な生身の人間で、どこまでできるかっていうことにも挑戦している、非常に挑戦的な作品になりました。

MC:映画『アサシン クリード』はDNAがキーポイントになっているということで、今回は特別に斎藤工さんのDNAを解析させていただきました。覚えていらっしゃいますか?一ヶ月ほど前、DNAサンプルをもらいに行きましたよね?

斎藤:そうですね。怪しかったですね(笑)。僕はお茶は出さなかったんですけど(笑)、だ液を出してくれって言われて。

MC:急にだ液を出してくれって言われて(笑)?

斎藤:はい(笑)。で、だ液を出しました。そういうキットがあって。自分のだ液が吹き替えに使われるのかなと……。この為だったんですね。

MC:はい。かなり精密な検査をしました。映画では主人公が自分のDNAに眠る15世紀の祖先の記憶を追体験するということなんですが、もし斎藤さんが同じように遺伝子の記憶を蘇らせて同じ過去を体験したらどうなるのか? ちなみに、ご自分の祖先でいくと、どの時代の祖先を追体験したいですか?

斎藤:そうですねえ、高床式住居に住みたいという憧れがあるので。

MC:珍しい憧れですねえ(笑)。

斎藤:この国に住むと湿度との戦いじゃないですか。そういう意味では良く出来てる住居だなと。高床式住居のある時代ならどこでもいいですね。

MC:ネズミが上がって来ようとしても、ねずみ返しがあって上がってこれないような(笑)?

斎藤:そうですねえ、非常に理にかなった、高床式住居時代に憧れています。

MC:今回は『アサシン クリード』で言うと15世紀ということで、日本だと戦国時代になります。戦国時代を追体験したいと思いますか?

斎藤:そうですね。でも戦場にいたくないですよね。僕は歩兵タイプだと思うんで、竹ヤリの記憶みたいなものがあるんです。自分で作った竹ヤリを持っていた記憶が……、なんかあるんですよ。

MC:普段のクワを竹ヤリに持ち替えてみたいな……?じゃあ、一番最初に死んじゃうタイプの……(笑)?

斎藤:そうですね。二列目あたりにいる(笑)。

MC:二列目は危険ですねえ(笑)。

斎藤:はい(笑) 。

MC:ではここからDNDを探って行こうと思います。ちなみに、本当は50以上の項目があったなかで、祖先に関係あるだろうという5項目を抽出してみました。こちらのフリップをご覧いただきたいと思います。

↓斎藤工の祖先を解き明かすフリップ。
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MC:まずはですね、数値が高かったものから行きますよ。一番上の注意力、集中力、記憶力。これは文字通り注意力、集中力、記憶力が高いということなんですが?違いますか?

斎藤:全然、違いますね。年々、老いというか…… 、35歳にもなると失うものが多いというか、いろんなものが老化しているような感じがします。セリフも全然入ってこなくなって、手に書いたりしてます。本番の時は手を洗いますけど、なにかに書いたり、録音したり、あらゆる手を使って、それでもなかなかすり込めないことがあって。

MC:DNAでは過去から続いているのは高いんですけどねえ……。続いて調和性、開放性です。他の人に優しい?

斎藤:あー、イエスマンですねえ。日本で生きていく上では、我を通してはやっていけないので。白を黒と言わないといけない業界にいますので、変な正義感はもってないですね。

MC:じゃあ調和性は高いですね(笑)?

斎藤:調和性は高いです(笑)。ダサい感じで高いです。

MC:いやいや(笑)。開放性、これは新しいアイデアだったり、新しいものを受け入れるということなんですが。

斎藤:それはあるかもしれないですね。去年初めて長編映画を撮らせていただいたんですけど、役者さんのアイデアとか、カメラマンさんのアイデアとか、それぞれが感じてくれたものを作品に落とし込ませていただいて。助けていただきました。

MC:さらにその下、自己志向性。これは自分で決定するとか、意志が強い、目的意識や決断力が高い、責任感が強い、という項目なんですけど、どうでしょうか?

斎藤:僕は今まで何かの長になったことはなくて、中学時代の“班長”……ぐらいですね。班は6名でした。その位のスケールのものはあったんですけど……。いろんな力を借りて映像を作る側にまわった場合はですけど、いろんな事情をわかっているので、バジェットだったり、役者さんのスケジュールだったりが分かった上で、ここで決断しなければならないということは、責務として感じなから現場には立たないといけないなという瞬間は、ここ数年ありますね。

MC:つまりリーダーに向いているんではないかということですね。これらを総合的に見て、斎藤工さんの祖先はどのような人物であったのかと、独自に割り出してみました。(フリップを指差して)これをめくってもらっていいですか?

斎藤:はい。

MC:斎藤さんのタイプは!?

↓斎藤がフリップをめくると……!?
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斎藤:意外ですね……。

MC:将軍タイプでした!

斎藤:はい…。ありがとうございます(笑)。これ、大丈夫ですか?面白みありますか?(会場に和やかな笑い声が)

MC:歩兵じゃなくて将軍タイプでした。なぜかというと、一番抜きん出ていいたのが、支配力。支配力がこんなに高い人って日本の人口のなかでも8%くらしかいないらしいですよ。

斎藤:まずいですね。そういう欲があるってことなんですかねえ。支配力は、ないつもりなんですけど……。でも僕思うんですけど、クラスの人気者が芸能界に入るわけではないじゃないですか。すごく地味だった人が、その反動も含めて華やかな仕事をしていたり。将軍もそうなんじゃないかなと。見えないところまで見ていたり、将軍向きじゃないような人が将軍になることで、新しい陣形を組んだりしてきたんじゃないかなと。そういったタイプの、変わったタイプの将軍なんじゃないでしょうかね? 家来は6人くらいしかいないと思いますよ。小さい軍の「小軍」じゃないですかね? (会場笑い)なかなか認めたくないというか、そういう勇ましいDNAとか、感じないんですよ(笑)。

MC:ただ、短期的に利益を求めるのが異常に低いんですよ。だから長期的な視点で物事を考えることができる。リーダーシップをとれる。なので戦国大名の一人だったんではないかなと思うんですが。

斎藤:映画興行とかもそうですもんね。大きくドーンと公開して、翌週の平日の昼間は、なかなかお客さんがいなかったりという劇場が多いので、長期で愛されるような仕組みになったらいいですね。この『アサシン クリード』もですけど。

MC:15世紀、もしかしたら斎藤工さんの祖先はアサシンに狙われる側だったかもしれない。

斎藤:そうですね。日本だと「忍(しのび)」とかなんですかね。

MC:もしくは竹ヤリで狙っていた側だったのかもしれない。

斎藤:二列目で。

MC:二列目にこだわりますね(笑)。

↓みごと斎藤の能力が実証され、斎藤が名前を書いた絵馬が赤城神社に奉納された。
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MC:さてここで、今年の抱負などをいただければと思うのですが。

斎藤:今年はですね、農業に手を出したいということですね。(会場に「?」混じりの笑いが)農業に興味があるので、主にキノコとか栽培したいなと思ってます。

MC:それは事務所側には話は通ってるんですか(笑)?

斎藤:いや、してないですね(笑)。不安定な芸能界にいると、なにか自分の軸になるものが必要かなと思って。

MC:その軸が?

斎藤:農業。

MC:さらに詳しく言うと。

斎藤:キノコ。(会場笑い)菌類の繁殖ですね。いや、でもホントに農業はやってみたいですね。

MC:じゃあ今年の後半とかにはスーパーとかに「工(たくみ)」印の農作物が……?

斎藤:もしかしたら並ぶかもしれませんね。

MC:ありがとうございます(笑)。

↓これにてイベント終了。その後、場所を移して囲み取材が行わるとのことなので……
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オマケで囲み取材ダイジェストもお届け!

記者:先ほど、キノコを栽培したいとのことでしたが、どんな種類のキノコを栽培したいのですか?
斎藤:シイタケですね、主に。
記者:なんでシイタケなんですか?
斎藤:ボリューム感というか、サイズ感も含めて、お肉に勝る肉厚なシイタケを育てられたらなあと思うんですけど。まだ場所は決めてないんですけど、ある程度の湿度が必要だと思うんで。その辺も、僕に近しいのかなと思うのが、ナメクジとか他人とは思えないというか。日に当たらないところで、何かを生み出すっていうのが僕にあってるんじゃないかなあと思います。
記者:ジメッとした感じがあっているとのことでしたが、2016年末に(放映された『ガキ使』で)は、だいぶカラッとした芸を見せていたと思うんですけど。あれはご自身のテンションとしてどうだったんですか?
斎藤:クラスのおとなしい子がキレたら怖いじゃないですか?そういう表われでした。反動というか。サンシャイン池崎さんも実際にお会いしたら非常におとなしい方で、なんかこの世界、反動っていうエネルギーはかなり強いんじゃないかなと思って、見たことのない自分に、出会えるかなと。ハイリスク・ローリターンでしたけど(笑)。
記者:見たことない自分に出会えたと(笑)?
斎藤:そうですね。どこ行ってもやってくれみたいな(笑)。普段おとなしいので、がっかりされる方が多いですね(笑)。

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