『わたしはロランス』『Mommy マミー』など、作品を発表するたびにカンヌ国際映画祭をはじめ世界の映画祭で評判を呼んでいるカナダの新鋭グザヴィエ・ドランの新作。家族をテーマにした本作は、誰もが経験したことのあるような感情を描いているが、それだけではないのがドラン作品。ドラン作品を知っている人も同でない人も、何かを語りたくなる作品のようだ。
ズシっとくる。近しいもの同士の「は?わけわかんねえ。」と「は?なんでわかんねえの?」のぶつかり合い。日常的にあることなのにあんなにスリリング…グザヴィエ凄いなあ本当に毎度。
どこかのレビューで、今までの作品がちょっと…な方でも楽しめるっていうのを見て、自分の好きなグザヴィエドランじゃなかったら嫌だなと思ってたんですが、そんな心配必要なかったです。
「たかが世界の終わり」名作でした。
ドランの映画ってどうしてこんなに共感できるんだろう。「たかが世界の終わり」今までのドランので1番好きかもしれない…レア演じるシュザンヌが自分に重なりすぎてプチパニックにすらなってる。27歳が監督した映画だなんて誰が思う?
待ち望んでた期待に応えてくれる傑作でした。
敢えて情報を削りに削って受け手の解釈に委ねる余白が多かったのもGood。色々な人と解釈を共有したくなる作品。タイトな上映時間も集中力全振りできるから良かった。
英題のIt’s only the end of the worldでも仏題のJuste la fin du Monde でもない。
これは「たかが」と言う単語に全てが集約された邦題の勝利。
『たかが世界の終わり』を観た人達の感想を読み漁っているが面白い。千差万別というか。自分自身、父とはほとんどまともに会話したことがなかったし家族とも悪気はなくも距離を置いて過ごしてきたのでそういった意味での共感はあったけど、この映画は共感だけでは語れない映画だと思った。映画こえ〜。
『たかが世界の終わり』
2017年2月11日公開
監督:グザヴィエ・ドラン 出演:キャスパー・ウリエル レア・セドゥ マリオン・コティヤール ヴァンサン・カッセル ナタリー・バイ