MC:初めて見る松本さんでした。
松本:本当ですか?
MC:はい。いい意味で。
行定:今日とは明らかに違うな。今日さっき会ったとき、声かけづらかったもん。
松本:何でですか(笑)。
行定:嵐の松潤がいるよって。
松本:いやいやいや(笑)。嵐ですけど。
行定:葉山先生はもっと僕にとって親近感のある。
松本:僕、親近感ないみたいな、やめてくださいよ(笑)。
行定:いやいやありますよ(笑)。
MC:有村さんはこの作品が決まった時はどのように思いましたか?
有村:松本さんもおっしゃったんですけど、行定さんとご一緒できるということに感激して、それから行定さんの作る大人のラブストーリー『ナラタージュ』がどのように展開していくんだろうっていう楽しみもあり、とても難しい役でもあったので緊張もしていましたね。クランクインするまでは。
MC:現場に入ってからそれは解けたんでしょうか?
有村:気は抜けなかったですけど、肩の力は解けたと思います。
MC:そして監督、先ほどお話もありましたけど、原作と出会って12年、構想10年ということで島本理央さんの原作は、どのようなところに惹かれたんでしょうか?
行定:恋愛っていうのは曖昧なもので、実際、やっている人間がどの程度、自分が激しい感情に絡めとられているかが分からないものだということが(原作には)克明に書かれているんですね。先生と元生徒なんで関係性としては抑圧している関係なんですよ。感情の揺れ動きがものすごく彼女の方にはあるけれど、先生の方は謎なんですよ。この2つを映像化することで、共感はたくさん得られるんじゃないかと。ある種、恋愛をしてきた感じ、恋愛を知っている人とか知らない人とか、観方は変わってくるとは思ったんですけど、一番身近に生活の中で感情が揺り動かされるのは恋愛だと思うんですよ。言うならば、かつての日本映画がたくさん作っていた堂々とした恋愛劇とか成瀬巳喜男監督の映画とか、そういう映画に近いものを作ることが出来たらな、というのがあって。この原作なら出来ると思って、ずっと粘って何とか製作にこぎ着けた感じです。