巨匠ウォルター・ヒル監督作ミシェル・ロドリゲス×シガニー・ウィーバー共演、『レディ・ガイ』が2018年1月6日より公開。本作で監督を務めたウォルター・ヒル監督のオフィシャルインタビューが公開された。
80年代の名作マイケル・パレ主演『ストリート・オブ・ファイヤー』やニック・ノルティ、エディ・マーフィ共演『48時間』などのウォルター・ヒル監督が、今回描くのは性転換手術で女にされた殺し屋。主人公フランクを演じるのは、ハリウッド随一の男前女優ミシェル・ロドリゲス。名優シガニー・ウィーバーが、フランクを女に変えた天才マッド・ドクターを演じる。『エイリアン』以来、戦うヒロインのアイコンとして映画界に君臨してきたシガニーにミシェルが挑む、いわば新旧最強女優対決ともいえる作品。思わず耳を疑ってしまう奇抜な設定を、スリリングでセクシーなアクション映画へと昇華させた本作『レディ・ガイ』について、ウォルター・ヒル監督に語ってもらった。
Q:このプロジェクトはどのように始まったのですか?
ヒル:1970年代の後半までさかのぼります。デニス・ハミルが書いた「Tomboy」という原案が、エージェントから送られてきたのです。奇抜な設定のアイデアが気に入りましたね。
Q:それから映画化まで35年もかかっていますが、どうしてですか?
ヒル:しばらく何もしなかったんだ。でも、このアイデアが頭から離れることはなかったよ。1990年ごろ、デニスに電話をかけ、脚本の映画化権を取ったんだ。私が脚本に書き直したんだが、納得のいくものができなくてね。で、またそのままにしておいた。そして、また10年ほど何もしなかったんだ。でもある日、自宅の地下室にいたとき、デニスの原案にふと目が留まったんだ。もう一度読み直した。そしてデニスに電話をかけ、映画化権はまだ空いているか聞いたんだ。そしてもう一度映画化権を買い、脚本に取りかかった。2週間で書き上げたね。そしてその脚本からグラフィックノベルを作り、映画を作った。フランク・キッチンとレイチェル・ジェーン外科医というキャラクターを描くのは、実に面白かったよ。2人は社会的立場も話す言葉も全く違う。だからプロットを削って、できるだけシンプルにしたんだ。
Q:本作に男優を起用するという考えはありましたか?
ヒル:それも検討した。だが男優がこの役を演じると、さらに課題が増えると思ったんだよ。メイクがさらに重要になり、メイクばかりが注目される映画になるのはいやでね。
Q:手術のシーンはまるでホラー映画のようですね。
ヒル:ああ、確かに。手術を受けているフランクの視点から撮っている。手術のシーンは、この映画にとって課題でもなければ、トランスジェンダー政策を支援するものでもない。現代医学を描くには、この方法が適切だろう。
Q:マンガのコマのようなフレームを、何度も映像に挿入しているのはなぜですか?
ヒル:ストーリーが展開する中で、これは現実に日常で起こることではないと示唆するためだ。マンガやグラフィックノベルのように、自由なストーリーにしたかったんだ。
『レディ・ガイ』
2018年1月6日(土)新宿シネマカリテほか全国順次ロードショ
監督:ウォルター・ヒル
出演:ミシェル・ロドリゲス シガニー・ウィーバー トニー・シャルーブ アンソニー・ラバリア ケイトリン・ジェラード
配給:ギャガ・プラス
【ストーリー】凄腕の殺し屋フランク・キッチンは、「お前は敵を作りすぎた」とボスに抹殺されそうになる。銃撃戦で意識を失ったフランクは、見知らぬ安ホテルのベッドで目覚める。全身に巻かれた包帯を取って鏡の前に立った瞬間、彼は驚愕する。そこにいたのは、まぎれもない女。フランクは性転換手術を施されていたのだ。ベッドの脇に置かれたテープレコーダーを再生すると、女の声が。声の主は医者で、手術はフランクへの復讐を意味しているという。大切な《もの》を奪われ、女となった殺し屋は、銃と色気を武器に、復讐に立ち上がる―!
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