2018年タリン・ブラックナイツ映画祭で日本映画唯一のコンペティション作品に選出された、川崎僚監督の初長編作品『Eggs 選ばれたい私たち』が、2021年2月26日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
本作は、何らかの事情で産めない、あるいは産まない選択をしたが、それでも母になることを希求する女性たちの切なる想いを掬い取ったヒューマンドラマ。
監督は、オムニバス映画『SEASONS OF WOMAN』が12月19日より公開されるほか、文化庁委託業務「ndjc2019:若手映画監督育成プロジェクト」にて35mmフィルムにて撮影された短編映画『あなたみたいに、なりたくない。』を制作するなど、いま活躍目覚ましい川崎僚。初長編となる本作では、自身の女性としての経験や体験を織り交ぜなら、結婚や出産を希望していない30歳目前の女性、そしてレズビアンの女性という対照的な二人の人物を通して、社会から求められる女性像と実像のずれに悩みながらも、それでも「母になりたい」と願う彼女たちを等身大に描き出した。
本作は、2018年タリン・ブラックナイツ映画祭で日本映画唯一のコンペティション作品に選出。同年の招待上映作品『万引き家族』とともに、日本の社会問題を扱った話題作となった。
ポスタービジュアルには、じっとカメラを見つめる純子(寺坂光恵)と葵(川合空)の姿が収められ、「産みたくない。けど、残したい。」と彼女たちの心情を反映したようなキャッチコピーが添えられている。
■川崎僚(監督・脚本) コメント
日本は経済的に恵まれているのに、精神的には豊かな国ではありません。特に女性は昔から「結婚して、子どもを産むのが一番の幸せだ」とされており、女性が働くのが当たり前になった今でも「産まない女性」の生き方は強く非難されています。卵子の減少を原因に「30歳」が女性の賞味期限だと言われることも多く、タイムリミットすれすれの20代後半の女性たちは、自分の生き方に自信が持てずにいます。「産めるのに、産まない」という選択肢をしている私の生き方は間違ってるのか…。そう悩むなか、エッグドナーという題材に巡り会い、この作品が完成しました。私や周りの友達の、ありのままの本音を全て曝け出した作品です。
『Eggs 選ばれたい私たち』
2021年2月26日(金)より、テアトル新宿にて公開、以後全国順次公開
監督・脚本:川崎僚
出演:寺坂光恵 川合空 三坂知絵子 新津ちせ 湯舟すぴか みやべほの 見里瑞穂 斉藤結女 荒木めぐみ 鈴木達也 生江美香穂 高木悠衣 森累珠 加藤桃子 すズきさだお 松井香保里
テーマ曲:「あお」(作詞・作曲 小林未季)
配給:ブライトホース・フィルム
【ストーリー】 子どものいない夫婦に卵子を提供するエッグドナー(卵子提供者)に志願した独身主義者の純子(寺坂光恵)。そのドナー登録説明会で、偶然、従姉妹の葵(川合空)に再会し、彼女がレズビアンであることを知った。恋人に家を追い出された葵は、純子の家に転がり込み、二人の少し奇妙な共同生活が始まった。エッグドナーに選ばれれば、ハワイやマレーシアなどの海外で卵子を摘出し、謝礼金がもらえる。選ぶのは、子供を希望する夫婦。そして、エッグドナーには30歳までという年齢制限がある。わずか数カ月で30歳を迎える純子は、それでもドナー登録をすることに決めた。純子と葵は、どちらが選ばれるかという期待と不安を感じながらも、いつしか「遺伝子上の母になりたい」という同じ目的に向かって“選ばれる”為に、新たな生活を始めようとするのだった。
©「Eggs 選ばれたい私たち」製作委員会