MC:結構ロマンチックなセリフだったり、キュンとくるシーンがありましたよね。どうだったんですか?
池松:ありましたね(笑)。「どうだったんですか?」と聞かれてもねぇ(笑)。「どうですか?」って聞くしかないんですけど、照れくさかったですよね。どうですか?
伊藤:「どうですか?」って言われてもねえ…(笑)。でも、楽しかったですけどね。水族館とか特に追いかけっこしたじゃないですか。
池松:楽しかったですよ(笑)。もう先に言っちゃうと、一番言いたくないセリフがあって、「夢で待ち合わせね」って言うんですよ。なんで言わなきゃいけないのか分かんなくて、監督に「なんでこんなん書いたの?」って聞いたら、「俺、結構言う」って言ってて。
松居:いや、違う(笑)。今、変な感じだったから。違うんすよ。寝ると会えなくなっちゃうみたいなのってあるじゃないですか。
池松:あるじゃないですか(笑)!?
松居:ずっとつながっている感じが良かったんですよね。
尾崎:寝てる時ぐらい休んだらいいじゃないですか!?
池松:自分で言って欲しかったですね(笑)。
松居:言わないでしょ!? 俺が言っても(笑)。
MC:伊藤さんは、それを言われてどうでしたか?
伊藤:すごいビックリされたんですけど、私は嬉しいかったんですよ。その言葉で安心して眠りにつけるじゃないですか。孤独じゃないっていうか、一人じゃないって思えるので。「私は結構好きですよ」って言ったら、池松さんが「ええ…」って(笑)。みんなのいろんな感じ方があるんだなって思いました。
MC:尾崎さんは映画全体をご覧になって、ロマンチックなシーンはどう感じられましたか?
尾崎:いいなと思って観てましたね。池松のセリフも違和感なくて。
池松:でも、めっちゃ声がちっちゃいんですよね(笑)。
尾崎:それがリアルだった。
池松:ありがとうございます(笑)。
MC:尾崎さんは、皆さんと共演してどうでしたか?
尾崎:全く知らない現場だったので、初めてのルールがあって、勉強になりましたね。どう自分がそこに存在していいのか分からなかったんですけど、でも長く活動していくと慣れていることばかりなので、初めてのことがあるというのは楽しかったです。
MC:なにか教えてもらえたりしましたか?
尾崎:教えてくれないんですよね。松居くんに話しかけても、すごい鬱陶しそうにするし。
松居:いやいや、よかったんですよ。「最高、最高」って言ったし。
尾崎:ちょっとバカにされた感じで。でも、そういうふうにいじられながら役割を全うできたのかなと思いますね。
MC:どうなんですか、池松さん。
池松:今から観ていただいで分かると思うんですよ。すごい重要な役で、この2人を接続する役割を何度も果たしていて、僕はまるでこの映画における妖精のような存在だと思っているんですけど、それを見事な塩梅でやっていらして。『ナイト・オン・ザ・プラネット』のトム・ウェイツ的なポジションで、すごく良いエネルギーをこの映画に入れてくれていて。ただ、現場でカットがかかる度に、「俺どう?」って聞いてくるのはちょっと鬱陶しかったですかね(笑)。
尾崎:不安だから! 不安なの、ただただ(笑)。邪魔したくなかったし、壊したくなかっったから。
池松:本当に素晴らしいんですよ。観てもらえれば分かると思います。
MC:監督がぜひこのキャスティングでと思った理由もあるわけですよね?
松居:もちろん。今回は本当に全員そうですね。第一希望で行った感じがします。池松くんと伊藤さんって、普通にお仕事していたらあんまり並ばない2人な気がして、違う畑でやっているような気がして。でも恋愛って全然出会わないような人とふとしたタイミングで出会って、だからこそかけがえのない時間を過ごしたりすると思った時に、池松くんと伊藤さんのアンバランスに見えるけれどもジャストフィットするような気がするって勝手に思って、2人の化学反応が楽しみだなとも思いました。曲から映画を作ったので尾崎くんは居てもらわないと変だなぁというかね。説得力として圧倒的になると思っていたので、居てほしいなと思ってい書きました。
MC:池松さんはダンスシーンもありましたが。
池松:ダンスは本当にあんまりやりたくないですよね。もう正直に言うと経験がないものですから、それを準備期間1ヶ月でね、どうやってごまかすかしかないので、とにかくカメラマンに「離れてくれ」と。とにかく「全身を撮らないでくれ」「と。撮りたいんだったら顔だけにしてくれ」と。そうやってごまかしごまかしやってますね。
MC:監督はダンサーにした理由はあるんですか?
松居:タクシードライバーって会話をするような仕事だと思っていて、だから照夫は身体表現をしている人が良いなと思って、ダンスをしていたら言葉じゃなくて身体表現でっていう感じがいいなぁと思って。もともとバレエだったんですけど、話している中でコンテンポラリーの方が基礎的なものが少なくて、自由な表現の方だったので、そっちで作っていったという感じですね。
MC:伊藤さんはタクシードライバーでしたが、どうでしたか?
伊藤:運転するシーンは牽引でやってくださったので、そこが本当にありがたくって。最近はグリーンでやることが多いけど、やっぱりちゃんと景色があって、運転しながら景色を見たりする目の動きっていうのが、意外とできるようでできないと実感したので、恵まれた環境でできたなと思いました。タクシードライバーは、やってて楽しかったです。
MC:目を合わせないで台詞を言うところはどういう感覚でしたか?
尾崎:緊張しましたね。でも目が合ってたらもっと緊張したはずなので。ちょうど良かったですね。
MC:間合いとかも大丈夫でした?
尾崎:大丈夫でしたか?
伊藤:もちろん、素敵でした(笑)。
MC:伊藤さんは尾崎さんと共演されていかがでしたか?
伊藤:私も緊張しましたし、たぶんそんなのダメなんですけど、一番バックミラーで見てないと思う。顔を。緊張して。クリープハイプさんのファンなので(笑)。結構、本当にガチガチでしたし、待ち時間とかも結構ずっとこう乗ったままで待ってたりするから、その沈黙が…(笑)。
尾崎:喋っちゃいけないのかと思ってたんですよ。役者の方にあんまり話しかけると迷惑かなと思って静かにしてたんですけど。松居くんに後で聞いたら「全然しゃべってなかったね」って言われて、「しゃべっていいの、あの時間!?」って言ったら、「しゃべっていいんだよ」って言われて。次こそ行くぞと思ったけれど、そのシーンが終わってしまって(笑)。
伊藤:すごいチャンスだったのに、全然しゃべれなくて(笑)。緊張しすぎて、どうしようと思って。でも、どういう感じの方か分からないから、それこそ「うるせえ」とか言われたらどうしようと思って(笑)。探り合いでしたね。
MC:尾崎さんは伊藤さんとご一緒されて、どんな方だと思いましたか?
尾崎:伊藤さんは、良いイメージで印象通りでしたね。ちょっと話しが戻るんですけど、その後に牽引している方の車に松居くんが乗せてくれて、伊藤さんと池松の2人のシーンを見ている時に、ずっとしゃべってるんですよ、2人が。で、松居くんが横で「喋りすぎだな、あいつら」って、ちょっと嫉妬してて(笑)。それが可愛かったですね(笑)。こっちもこっちで、あれぐらい喋って良かったんだって後悔して、悔しくなりましたね。