尾崎世界観「クリープハイプとしては出演できない」特殊メイクで撮影に挑んだ理由とは?『ちょっと思い出しただけ』場面&メイキング写真

『バイプレイヤーズ〜もしも100人の名脇役が映画をつくったら〜』や『くれなずめ』と2021年も注目作を発表し続ける松居大悟監督が、主演に池松壮亮と伊藤沙莉を迎え、初のオリジナル脚本で贈るラブストーリー『ちょっと思い出しただけ』が、2月11日より公開される。このほど、特殊メイクで撮影に挑んだ尾崎世界観を中心とした場面写真とメイキング写真がお披露目となった。

クリープハイプの尾崎世界観が自身のオールタイムベストに挙げるジム・ジャームッシュの名作映画『ナイト・オン・ザ・プラネット』に着想を得て書き上げた新曲「ナイトオンザプラネット」。本作は、松居大悟監督が本楽曲を受けて、初となる完全オリジナルラブストーリーとして書き上げた。怪我でダンサーの道を諦めた照生(てるお)とタクシードライバーの葉(よう)。二人を中心に関わる登場人物たちとの会話を通じて、都会の夜に無数に輝く人生たちの機微を繊細かつユーモラスに映し出す。年に一度訪れるある1日を、現代を反映させつつ描いた松居監督独自の物語を完成させた。

本作の原点と言える楽曲を生み出した尾崎世界観は、主題歌の提供だけでなく、主人公・照生(池松壮亮)と葉(伊藤沙莉)の行く末を見守るキーパーソン、ミュージシャンの男役として映画にも出演する。劇中では印象的な髭を貯え、特殊メイクをしている。この特殊メイクにはある理由がある。尾崎は松居監督に役者として出てほしいとオファーされた際、「こんなに素晴らしい台本なのに自分が出ることで嘘の世界を作りたくないから、クリープハイプとしては出演できない」と一度断ったという。そこで松居監督が「ジャームッシュ映画に時々登場するトム・ウェイツ的な感じで出るのはどう?」と提案したところ「じゃあ髭生やしていい?」という声があがり出演が決定。松居監督は「劇中はクリープハイプとしてではなく、トム・ウェイツのような男率いるバンドとして登場してもらいました」と明かす。尾崎は俳優として現場にたった時間を振り返り、先日行われた東京プレミア上映会での舞台挨拶で「⻑く活動すると慣れていることばかりになるので、初めてのことは楽しかったです。皆さんにイジられながらも、役割を全うできたかなと思います」と自信を覗かせていた。

場面&メイキング写真には、池松壮亮が「一緒に同じ本を読んだり、同じ映画を観たり、そんな自分の⻘春と言っても過言ではない人たちと再会をして、⻘春に決着をつけようと思ったんです」と語るように、旧知の中である池松、尾崎、松居監督の胸熱3ショットが。さらに、高円寺で照生と葉が踊るシーンでは、ミュージシャンの男(尾崎世界観)が“ある曲”を弾き語るほか、彼率いるバンドが何曲か歌うシーンも登場する。主人公二人の行く末を見守るキーパーソンを演じた尾崎世界観にも注目だ。

『ちょっと思い出しただけ』
2022年2月11日 全国公開
監督・脚本:松居大悟
主題歌:クリープハイプ「ナイトオンザプラネット」
出演:池松壮亮 伊藤沙莉 河合優実 尾崎世界観(クリープハイプ) 成田凌 菅田俊 神野三鈴 篠原篤 國村隼 永瀬正敏
配給:東京テアトル

【ストーリー】 照明スタッフの照生(池松壮亮)と、タクシードライバーの葉(伊藤沙莉)。物語は二人が別れてしまった後から始まり、時が巻き戻されていく。愛し合った日、喧嘩した日、冗談を言い合った日、出会った日…コロナ禍より前の世界に戻れないように、誰もが戻れない過去を抱えて生きている。そんな日々を“ちょっと思い出しただけ”。

©2022『ちょっと思い出しただけ』製作委員会