MC:じろうさんは、脚本を担当されておりますけれども、皆さんとお会いになるのは今回が初めてということですか?
じろう:初めてです。撮影現場には行けなかったんですけど、脚本以上のものを演じていただきまして、たくさん笑わせていただきました。
MC:このキャラクターたちはどうやって作り上げられたんですか?
じろう:皆さんが街で見かける変なおじさん、おばさん達を集めたみたいな。欠落している部分が僕は人間の魅力だと思うんで、それぞれ欠落したところがある人たちが集まって、それを補い合って一生懸命やる姿って愛らしいなっていうか、面白いなと思って(笑)。
MC:英監督は、先ほど「皆さん、それぞれで演出できて良かったな」という話をされていましたが、熟練の腕利きの皆さんを演出されるというのは、改めてどうでしたか?
英:あの~、本当は全く演出っていうようなことはしてなくてですね、「どうぞ、やってみてください」ってお願いしたら、すごい面白いので、こんなに何にもしなかった仕事は本当に珍しいというか。“どうやって嫌にならないうちに早く終わるか”ばっかり考えてました。
MC:豊川さん、中村さん、お互いの相棒の魅力をそれぞれにお聞きしたいんですけれども、豊川さんは椎名の魅力はどこだと思いますか?
豊川:すごく頼りになる弟分っていうところですかね。時田からすると、椎名と一緒にいると慰めてもらえるし、チャチャを入れてもらえるし、孤独を感じることなく狭い密室での張り込みというつまらない作業が、どんどん楽しくなっていって。それはやっぱり椎名のおかげだと思うので、時田さんはすごく嬉しかったんじゃないでしょうかね。
MC:中村さんから見た時田の魅力はいかがでしょうか?
中村:最初はやっぱり先輩の刑事として緊張感も持ってやってたと思うんですけど、だんだん「ちゃんと『ごめんね』って言えたね」みたいな気持ちになってきたんですよね(笑)。親目線じゃないですけど、この子は私が育てるみたいな気持ちが、撮影をしながらどんどん芽生えてきて、最終的にはペットの子犬を見ているような、いたずらしてすぐ誤魔化そうとしてる子犬を見ているような気持ちになりながら、そういう愛くるしさ? きっと観てくださる皆さんも、みんな思ってくれると思います。時田さんのチャーミングさは、そこだと思います。どんどん弱っていったと思ったら忘れたり、いろんなことしますから、この人、楽しいですよ(笑)。
MC:そうなんですよね(笑)。これまでの刑事ドラマのバディでは描かれたことのない唯一無二の魅力を持っているバディかなと思うんですけれども、豊川さんはその点はいかがでしょうか? 先ほど、ライバルについても口にされてましたけど(笑)。
中村:そこは膨らませなくていいですよ(笑)!?
豊川:いや、勝ちますよ。勝つまでやります(笑)。シーズン300に行こうが、400に行こうが。勝つまでやります。
MC:だそうですが、中村さん。
中村:だから健康には気をつけないといけないですね(笑)。300まで行くって言ったら。向こうは300まではいかないでしょうしね。分かんないけど。
MC:木村さん演じる美里も無線連絡室の頼れる存在ですけれども、先ほどお話しいただいたような一面もあってというところで、美里の魅力というのはどこだと思いますか?
木村:人間っぽいですね。すごく自分の欲望に正直で、やってて楽しかったんですけどでも、近くにいたらちょっと迷惑で困るなと思いましたけど、でも非常に人間らしいですよね。
MC:そしてバディを組んでいるのが大平阿漓羅、清野菜名さんが演じられているということで、共演はいかがでしたか?
木村:リハーサルの時に、菜名ちゃんがセリフの途中で体を鍛えるシーンがあったんですけど、リハーサルの時に指だけで懸垂し始めたんですよね(笑)。私、それでこの子には絶対逆らうのやめようと思いました(笑)。びっくりしました(笑)。さすがだなと思って。女性でそれをできる方を初めて見ましたね(笑)。相当な身体能力ですよね、絶対にケンカをしちゃいけないと思いました(笑)。
MC:岸谷さんは、諌山について、どういったキャラクターだと捉えていらっしゃいました?
岸谷:今、じろうさんが言ってましたけど、非常に欠落した人間たちが集まっていて、諌山もネジがいくつもなくて、そのネジを拾って自分の頭に合わせるんだけど、なんかサイズが合わなかったりして。たぶん非常に弱い、一番小心者の人間だと思うんですけど、なんかこの2人と絡んでいく間に、非常に大胆なことを平気でできていくようになってしまうという。1+1=2ではなく、どんどん掛け算になって3人の芝居が広がっていくのと比例して、諌山の性格も大胆になっていくみたいなところが、非常に楽しかったですね。
MC:そのパンドラの箱を開けていくのが一条だと思うんですけれども、岡山さんは、一条に関してどんなキャラクターだと捉えていますか?
岡山:すごい尊敬してますね。なんか好奇心旺盛な役なんですよね。僕も好奇心旺盛なんですけど、好奇心を持ったら愚直に突き進んで、まあでも犯罪は絶対ダメだと思うんですけど、自分が行動に移していくところは尊敬してますね。好奇心が異様に高い現代の若者っていう感じですかね。
MC:茉莉は、岸井さん、いかがでしょう?
岸井:茉莉はというか、人はみんな気づいて欲しいし、分かってほしいじゃないですか。そのために今の子たちは、美しい生活とかをやっているようなフリをしてSNSに上げたりすることもあると思うんですけど、茉莉ちゃんはそこを無理してないっていうか。どうしたらみんなに見てもらえるんだろうという純粋な疑問で、とんでもないアイデアが思い浮かんじゃうっていうだけで、それを素直にやってるところがすごい素敵だなぁと思っていて、無理してないんですよね。で、この犯罪者たちはみんな無理してない気がして、無理なときは無理だし、テンション上がんないって時は、テンション上がんないまま。素直で異常があるっていうのは、みんなそうだと思うんですけど、それはすごくいいなって、このままでいて欲しいなって思ってました。
MC:じろうさん、魅力的なキャラクターをご自身が生み出されたわけですけれども、じろうさんがもし演じるんだったら、どのキャラクターを演じたいですか?
じろう:僕が演じるなら茉莉です。
MC:ええ!? それはなぜ!?
じろう:美里は絶対イヤです(笑)。茉莉ちゃんです(笑)。やりたいじゃないですか、あの多感な感じを。茉莉のラストシーンがすごい好きだったんですよ。車の中の3人のやりとりの、あの茉莉の一言を言いたいなっていう(笑)。あそこなんか泣けるんですよ、バカだった3人がすごく泣けて、すごくいいシーンだったので。
MC:クセの強いキャラクター達の会話劇が見所の一つですが、豊川さん、中村さん。その会話劇というところでご自身の印象に残っているシーンやセリフをあげていただけますか?
豊川:「俺の銃はどこだ?」
MC:これは…、詳しく伺うといろいろバレてしまうので、ぜひ3話以降でご確認いただいた方が良さそうですね(笑)。ぜひ観てください。中村さんは印象的だったシーンはいかがでしょう?
中村:やっぱり好きなのが、ヌーディストビーチの話を2人でするんですけど、人間暇だとこうなるんだろうなって、やりながら思いましたね(笑)。あれ好きです。奇跡的なシーンですよね。
MC:本当に奇跡がいっぱいある作品なのでぜひご覧いただきたいと思います。お時間が近づいております。最後に、全国のファンの皆さんに代表して豊川さんからメッセージをいただけますか。
豊川:この「No Activity/本日も異状なし」は、日本のお正月にふさわしい作品になっております。おせちに飽きたり、民放のバラエティーに飽きたり、箱根駅伝に飽きたりした時、あるいは夜中誰もいなくて一人寂しい時、「No Activity」があなたのそばにいます。いつもいます。このドラマは、あなたのそばにいます。ぜひ、しつこようですけど、何回観ても料金は一緒です。何回も何回も観て、何回も観ると新しい発見がいっぱいあると思いますので、ぜひどっぷりと、この年末年始に「No Activity」の世界に浸ってくれれば大変うれしいと思います。どうぞよろしくお願いします。
Amazon Originalドラマ「No Activity/本日も異状なし」
12月17日(金)より、Amazon Prime Videoにて独占配信(全6話)
監督:英勉
脚本:じろう(シソンヌ) 土屋亮一
音楽:松本晃彦
出演:豊川悦司 中村倫也 木村佳乃 清野菜名 岸谷五朗 岡山天音 岸井ゆきの
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