筧利夫、出合正幸、柿崎ゆうじ監督らが登壇!『第二警備隊』初日舞台挨拶レポート

警備会社と暴力団の壮絶な闘いを描く、柿崎ゆうじ監督の長編映画デビュー作『第二警備隊』が、6月16日に公開初日を迎え、新宿武蔵野館にて初日舞台挨拶が行われ、筧利夫、出合正幸、竹島由夏、伊藤つかさ、伊吹剛、柿崎ゆうじ監督が登壇した。

柿崎監督の長編第1弾作品である本作は、すでにロンドン国際フィルムメーカー映画祭にて最優秀編集賞を受賞。またニース国際映画祭2018にて出合正幸が最優秀助演男優賞を受賞し、世界的に高い評価を得ているが、この日、モントリオール世界映画祭のフォーカスオンワールドシネマ部門にて正式招待されることが発表された。

喜びの中行われた初日舞台挨拶には、主演・筧利夫、出合正幸、竹島由夏、伊藤つかさ、伊吹剛、柿崎ゆうじ監督が登壇。筧・出合・竹島は劇中のエステックの警備員の出で立ちで登場し、実際の身辺警備員さながらだ。筧は「撮影から2年の時を経て公開となりました。首を長くして公開を待っておりました。映画の“心意気”が観た方々の心に届くと祈っております。そしてモントリール世界映画祭での招待が決まり、すごいです!ニース国際映画祭で出合正幸さんが最優秀助演男優賞を受賞しましたが、『俺にもくれ!』」と願いを口にし、会場の笑いを誘った。

出合は「監督と出会って10年以上経ちますが、当時からこの話は伺っておりました。映画にしたいと聞いていたので、映画化する時があればどんな役でも参加させていただきたいという想いが自分の中にありました。出演のお話をいただけた時、監督の記憶であり監督が大切にしていることの一部になれるということが嬉しかったです」と想いを伝えた。

竹島は自身が演じた女性が女性と喧嘩をするシーンに触れ、「私の役は“フィクションでしょう”と思われがちですが、実在しています。現在は素敵な女性なのですが、当時は眉間のシワがすごかったようです(笑)。女性同士の喧嘩のシーンは、どんな言葉を実際に使っていたのか本人に聞いてみました。『テメー、コノヤロー、かかってこいよ』などは、本人から教えていただいたセリフを使わせていただきました」と、リアルを追求するため本人に確認したことを話した。

伊藤は、「映画の中で住職の妻を演じました。“いかに怖い思いをしたか”を忠実に再現できたらと思い演じました。今日初日を迎え、本当にこのように皆さんに観ていただける日がきたと思うと、お客さんを前に感動しています。今回私は怒ってばかりの役でした。実在した方は、とても綺麗な女性だったと伺っていたので、演じる上でその点ではプレッシャーでした」と語った。

伊吹は、「文句ばっかり言って逃げまくっている男の役をやらせていただきました。“きたない男だなあ”と思われたのではないかと思います。殉職した身辺警備員がいるので、亡くなられた隊員のお父さんとお母さんが息子と対面するシーンは、台本を読んでいるときからジーンときていました。自分が演じろと言われたら自分はできないのではないかと思いました」と、心情を伝えた。

そして監督は「事件からおよそ19年が経ちます。19年の思いを初日の今日、映画として皆様に観ていただける機会を得ることができ感無量です。あの時になぜか“映画にして知ってもらいたい”という気持ちが生まれ、達成できて本当に良かったです。そしてモントリール世界映画祭への招待に関しては、その国の実行委員会が作品を観て映画祭に呼んでくださることですので、この作品をみて共感して招待してくださったことが非常に嬉しく思います。エステックの隊員の想いが、殉職した隊員の想いが、世界に伝わればいいなあと思います。また本作で遺作になった出光元ですが、撮影時も長くがんを患っていて、声が出ませんでした。現場で声ができれないことがあり、セリフの一部をなくして表現で芝居をしていただいた。渾身の芝居をしていただいたことを思い出します」と初日、モントリール、そして本作が遺作となった出光元への想いを語った。

最後に監督から「事件の現場にいたので、心が重いです。今でも熱いものが込み上げてきたり、深い悲しみが襲ってくるときもあり…今でも鮮烈に残っている出来事です」と話し、スクリーンに込めた監督の思いが伝わる舞台挨拶となった。

『第二警備隊』
東京:6月16日(土)より新宿武蔵野館にて公開
大阪:6月30日(土)よりシネ・リーブル梅田にて公開
監督・脚本・エグゼクティブプロデューサー:柿崎ゆうじ
主題歌:内田あかり「遥か」
出演:筧利夫 出合正幸 竹島由夏 久松信美 河合龍之介 芦川誠 橋本じゅん 柳憂怜 関根大学 伊藤つかさ 石橋保 前田耕陽 伊吹剛 麿赤兒 赤座美代子 出光元 野村宏伸
配給:カートエンターテイメント

【ストーリー】 1999年1月某日、警備会社エステックに一本の電話が入った─。社長の大崎(筧利夫)は、学生時代の先輩で寺の住職・小泉(芦川誠)からの依頼を受け、精鋭チーム・第二警備隊を結成する。政治団体を標榜しつつもその実は指定暴力団・真政会の一味である護国大憂党は、寺の利権を狙って日々執拗な嫌がらせを繰り返してくる。大崎指揮のもと、隊長・高城(出合正幸)と中本(野村宏伸)を中心に、紅一点の佐野(竹島由夏)も加わり、大恩寺の警備警護にあたる隊員たちであったが、9月9日夜、ついに中本が凶弾に倒れてしまう…。

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