黒沢清監督作『予兆 散歩する侵略者 劇場版』がベルリン国際映画祭に出品決定!監督、夏帆、染谷将太、東出昌大からコメントも

劇作家・前川知大率いる劇団「イキウメ」の人気舞台を、国内外で常に注目を集める黒沢清監督が映画化した『散歩する侵略者』のスピンオフ作品『予兆 散歩する侵略者 劇場版』が、2018年2月15日から25日まで開催される第68回ベルリン国際映画祭のパノラマ部門に正式出品されることが決定した。

キービジュアル②_ポスター軽

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』はWOWOWの劇場用映画レーベルWOWOWFILMSの最新作『散歩する侵略者』のスピンオフ作品で、今年9月にWOWOWののオリジナル番組として制作された各話30分、全5話のドラマを、視聴者からの大きな反響を受け劇場公開用に再編集し、音声をドルビーデジタル5.1chにアップグレードして、11月11日に全国公開された。『散歩する侵略者』と同じく黒沢清監督のメガホンのもと、映画の世界観を活かしながらも新たな設定・キャストによる、より侵略の恐怖にフォーカスした驚愕のアナザーストーリーが描かれた。

『散歩する侵略者』が今年5月に第70回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に正式出品され、さらに同プロジェクトから誕生した本作『予兆 散歩する侵略者 劇場版』がこのほど第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式出品されることが決定し、関連作品である2作品が、揃って歴史ある三大国際映画祭へ招待されることはWOWOW史上初の快挙となる。

主演キャストおよび監督のコメントは以下の通り。

■黒沢清監督
この会心の一作をベルリンの観客に披露するのが今から楽しみです。彼らはまず、日本映画にこんなものがあるのだということに驚き、そして登場人物たちにのめり込み、最後は震え上がることでしょう。

■夏帆
映画『散歩する侵略者』のスピンオフドラマとして作られたこの作品が、この秋には一本化して劇場公開になり、さらにはベルリン国際映画祭への出品が決まったと聞いて、この作品の持つ力を感じています。じわじわと日常を侵略されていく恐怖、大切なものを守りたいという想いは、国境関係なく伝わるのではないかと思います。 黒沢組に参加できたこと、この作品に関わるすべての人に感謝です!

■染谷将太
黒沢監督のこの静かで強烈な作品がベルリン国際映画祭を侵略するのを楽しみにしています。インターナショナルな場でさらに栄える作品だと思いますのでとても意義のある出品だと感激しております。ベルリンのお客さん方が凍え上がるのを期待しています。

■東出昌大
栄誉ある映画祭で上映できることを、大変嬉しく思います。ホラーなのか、SFなのか、人間ドラマなのか、ジャンル分けが難しい様に思いますが、不穏な空気の奥底にある一種の痛快さを、海外のお客様に楽しんで頂けたら幸いです。

『予兆 散歩する侵略者 劇場版』
全国順次公開中
監督:黒沢清
出演:夏帆 染谷将太 東出昌大 中村映里子 岸井ゆきの 安井順平 石橋けい 吉岡睦雄 大塚ヒロタ 千葉哲也 諏訪太朗 渡辺真起子 中村まこと 大杉漣

【ストーリー】 山際悦子(夏帆)は、同僚の浅川みゆき(岸井ゆきの)から、「家に幽霊がいる」と告白される。みゆきの自宅に行くとそこには実の父親がいるだけだった。みゆきの精神状態を心配した悦子は、夫・辰雄(染谷将太)の勤める病院の心療内科へみゆきを連れていく。診察の結果、みゆきは「家族」という《概念》が欠落していることが分かる。帰宅した悦子は、辰雄に病院で紹介された新任の外科医・真壁司郎(東出昌大)に違和感を抱いたことを話すが、辰雄からは素っ気ない返事のみ。常に真壁と行動をともにする辰雄が精神的に追い詰められていく様子に、悦子は得体の知れない不安を抱くようになる。ある日、悦子は病院で辰雄と一緒にいた真壁から「地球を侵略しに来た」と告げられる。冗談とも本気ともつかない告白に、悦子は自分の身の周りで次々に起こる異変に、真壁が関与しているのではないかと疑い始める。