【全起こし】ムロツヨシ「山寺さんはスゴイ!僕はすぐにセリフを足すから怒られた(泣)」『ボス・ベイビー』日本語吹き替え版 完成報告会

MC:あたたかな歌声が響き渡っております。ありがとうございました。続いて、山寺さん演じます、フランシス・フランシスの2シーン、続けて観ていただきたいと思います。お願いします。

(映像を鑑賞)

MC:山寺さん、今回もまた、もう唸ってしまうような感じなんですが、『シュレック』など数々のドリームワークス作品をやられているじゃないですか。ドリームワークス作品の魅力はどのようにお考えになっていらっしゃいますか?

山寺:ドリームワークス作品もたくさんあって、もちろん作品ごとにテイストが違うので、ドリームワークスだからどうのこうのということはないのですが、『シュレック』とかをやらせていただいて、僕の知っている限りではとにかく映像が世界最高峰ということはもちろんですけれども、さんざん笑わせて最後に感動させる、その笑いの部分というのがすごいと思うんですね。ちょっと毒があったりシニカルだったりするんですけど、この作品に関しては、そのさんざん笑わせるというはその通りなんですけれども、最後の感動が今までにないぐらいすごいなぁというイメージがあります。

MC:今回のフランシス・フランシスは、ご高齢のあくどい方ということで。

山寺:そうですね。悪役的な存在だと思うんですけれども。

MC:どうやって役作り、声を考えられたんでしょうか?

山寺:オリジナルではスティーヴ・ブシェミという方がやっているんですよ。1回、2回かな、やったことがあるんですけど、とても個性的な俳優で、観ていただいておわかりのように、すごい表情がコロコロ変わって豊かなので、なんとかスティーヴ・ブシェミに追いつくように、表現に負けないようにということでやって。あとは「また山ちゃんやってるよ!」って言われないようにね、「またこういうやつやってんだ!」って、同じって言われないように。この素晴らしいキャスト陣ですから、なんとか自分の存在を出そうということで必死で。でも楽しくやらせていただきました。

ムロ:僕、初めて声優という、吹替え、アフレコという作業をやらせていただきましたけど、初めて絡む、会話をするシーンを山寺さんの声を聞きながらやって、こんなにも違うものかと。吹替えじゃないですもんね。なんて言ったらいいんだろう。吹替えじゃないの!その人なの!山寺さんは。僕らはまだ吹替えてるもん!でも吹替えてないの、山寺さんは!山寺さんはフランシス・フランシス。わかります?やって初めてわかるすごさを今回痛感しました。

山寺:僕自身を出してもあれなので、とにかく向こうに合わせようということに必死なんですよ。お手本に忠実にやろうと。自分で楽しみながらということもありますけど。

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ムロ:表情とか口の動きとかも、もちろんあちらは英語でやっている口の動きを、こちらは日本語でそれっぽく聞こえるようにやるのに、山寺さん、もうすごいんだもん!すごいんです、皆さん!やってみてください、一回、アフレコ!そしたらわかる!すごさが!

山寺:みんなやる側じゃないから!(笑)。

ムロ:秒数とか文字数も決まっているんですよ。私は足すでしょ。怒られるんです、足したら。

山寺:得意なところなのにね!自由にやらせてやればいいんだよ、ツヨシには!

ムロ:「ムロさん、すぐ足す!」って。「もう口動いてないですよ、ムロさん!」って。

山寺:それはもう最初からベテランの域ですよ。僕、まだそこまでいかないですもん。昔の先輩はそうやったんですよ。動いてないとこでバーッと言うんです、おもしろいことを。最初からできてる。

ムロ:いや、できてないですけど(笑)。おべっかじゃなく、本当にいいお勉強をさせていただいた時間でした。

山寺:恐縮です。

MC:山寺さんは声優の最高峰でいらっしゃいますから。

山寺:いやいや、とんでもないです!

MC:さぁ、先ほどからお二人の声が聞こえておりました、ムロさんと芳根さんの、ボス・ベイビーとティムの2シーンを続けて観ていただきたいと思います。どうぞ。

(映像を鑑賞)

MC:ありがとうございます。ずっと見ていたい兄弟げんかでございますが、ムロさんと芳根さんは以前、先生と生徒役でご共演されていると。

ムロ:そうですね。初めての共演は演劇部の顧問と演劇部員という、生徒と先生という関係で共演しました。

MC:それが今回はお兄ちゃんと弟となったということで。

ムロ:まさかそんな設定が来るとは思いませんでしたけれども。

MC:芳根さんは共演されていかがでしたか?

芳根:ムロさんとご一緒で本当にほっとして嬉しかったんですけど…。

ムロ:いいこと言うねぇ。もう一回言おうか!もう一回言っておこう!

芳根:ムロさんと共演して、本当に嬉しくてほっとしたんですけど…大丈夫ですか?(笑)。まさか本当に兄弟で私がお兄ちゃんになるとは思っていなかったので。でも、私はムロさんの声を聞きながら吹替えをさせてもらったので、本当にすごく楽しくて、途中で笑って「もう一回やっていいですか?」とか何回もあって、本当に完成が楽しみだったので、今こうやって皆さんと観られてすごく嬉しいです。

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MC:ムロさんはいかがですか?

ムロ:芳根ちゃんは知っていたので、もちろん共演もしていますし、だから少年の子どもの役ってどうなんだろうと。僕も初めて聞いたとき、すげぇ合っていたので「やっぱ芳根京子はまだ伸びるなぁ…」と思いましたね。「これ以上まだあるなぁ…」と思って。いやぁ、感服しました。

MC:しかも、お二人は初めての声優に挑戦ということですよね。

ムロ:初めてですよ。

MC:これはやっぱり後ろにいらっしゃる…。

ムロ:今日、感想聞いてないんですよ、怖くて。ちょっと、僕、目見れない。聞いてもらってもいいですか?

MC:山寺さん、声優としてお二人の初めてのお仕事をどのようにお聞きになりましたか?

山寺:言っちゃっていいんですか?…素晴らしかったです!

ムロ:本当ですかぁ?!

山寺:なぜならね、ムロさんは今日本一おもしろい俳優ですよ!やっぱりうまい人、おもしろい人は何やってもうまい!本当に悔しいぐらいでした!先ほど、本当はアドリブを言いたかったと、本当はプレスコ(先に音声を収録してから映像を制作すること)で好き勝手やってくれて、ムロさんの台詞に合わせて映像を作ってほしかったぐらい。だってこれ、舞台版『ボス・ベイビー』とかそのままできそうじゃないですか!ちょっとメイクすればね!というぐらいの感じですから、やっぱりさすがだなぁと、自分のものになさっているなぁと。芳根さんは、僕は今「海月姫」にはまってて本当にもう大好きで!あんなクラゲ好きの根暗とは全然思えない。やっぱり女性が男性、男の子をやるってそんな簡単なことではないんですよ。今ムロさんもおっしゃっていましたけど、本当に素晴らしくて、何よりもとにかくパパとママのことが大好きなんだなっていうことが痛いくらい伝わってきて、必死さとか。だからもう最高でした!本当に素晴らしいです!これからどんどんやられるんじゃないですかね。声優がみんなビビってると思いますよ!

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MC:芳根さん、どうですか?

芳根:すごく嬉しいですね!不安だったので、初めてだから何が正解かもわからないし、どうやってやるかもわからないなかで、皆さんに教えてもらいながらやっていたのですごく嬉しいです。ありがとうございます。