『キル・ビル』シリーズや『ヘイトフル・エイト』などで知られるクエンティン・タランティーノ監督が、Netflixなどの人気ストリーミングサービスを利用しない理由を明かしている。The Wrapが伝えている。
タランティーノが、『レザボア・ドッグス』で監督としてデビューする以前に、マンハッタン・ビーチのビデオショップで働いていた経験を持つのは有名な話。インタビューでタランティーノは、ストリーミングサービスとは違って、ビデオショップではこれまで知らなかった作品との思わぬ出会いがあると説明する。
「ビデオショップは(ストリーミングサービスとは)また性質が違う。ショップに行って、店内を回って作品を選び、そのケースの裏の説明文を読んでから決める。カウンターにいる店員に話しかければ、その人が何かおすすめしてくれるかもしれない。店員が何も手渡してくれなくても、程度の違いはあっても、少しはセールストークをしてくれるだろう」とタランティーノは語る。
また、タランティーノはストリーミングサービスで映画を楽しむことについて、「多くの人は、ガイドをクリックしてリストを見て、作品を観たり録画したりする。作品を観る余裕がないのかもしれないし、実際にちゃんと観ているのかもしれないけど、10分か20分ほど観れば、“なんか違うなぁ、これには興味が持てない” と決めつけて別のことをし始めるだろう。僕らはそういう状態に陥っている」と述べ、サービスの現状に懸念を示している。
タランティーノの監督最新作は、1969年の米ロサンゼルスを舞台に、チャールズ・マンソンが指導したカルト団体による女優のシャロン・テート殺害事件を描く。これまでの作品は、大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの映画会社であるワインスタイン・カンパニーと共同で製作されてきたが、ワインスタインによる複数の女優へのセクハラ行為が発覚したため、この最新作はソニー・ピクチャーズから配給されることが決定している。
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