アキ・カウリスマキ監督最新作『希望のかなた』35ミリフィルム上映が決定!

2017年のベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞した、アキ・カウリスマキ監督最新作『希望のかなた』が、12月2日より公開される。このほど、本作の日本語字幕版35ミリフィルムでの上映が一部劇場にて行われることが決定した。

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アキ・カウリスマキ監督最新作『希望のかなた』は、北欧フィンランドの首都ヘルシンキを舞台に、生き別れの妹を探すシリア難民の青年カーリド(シュルワン・ハジ)が、レストランオーナーのヴィクストロム(サカリ・クオスマネン)とその仲間と出会い、彼らの小さな善意に救われる物語。難民申請を無常にも却下され、内戦が激化するシリアへの送還を目前に、収容所から逃げ出したカーリドは、さらにネオナチの青年たちから何度も襲われながら、ヴィクストロムの経営するレストラン“ゴールデン・パイント”のゴミ捨て場にたどり着く。ゴミ箱の影を寝床にしていたところをヴィクストロムに見つかり、最初は殴り合いになるものの、従業員として雇われることになる。

カウリスマキ監督といえばデジタルでの映画製作が主流となった現在でも、一貫してフィルムでの映画製作にこだわり続けていることで知られている。『希望のかなた』も、撮影から編集まで全ての行程をデジタルを一切介さずに作られた。上映用のプリントもオリジナルネガからダイレクトに焼かれたもの。劇場の上映環境もデジタルが主流となった今、2017年公開の新作外国映画の35ミリフィルム上映は、クリストファー・ノーラン監督の『ダンケルク』(9月9日公開)と『希望のかなた』のみとなる。

北條誠人(上映劇場ユーロスペース支配人) コメント

たぶん、ユーロスペースで、35㎜フィルムの新作を上映することが『希望のかなた』で最後になる予感がします。アキ・カウリスマキ監督もその思いで撮影、ポストプロダクション、そしてベルリン映画祭でのプレミア上映に臨んできたのではないでしょうか。その気持ちに近づきたいと思いました。またデジタル上映では観えないことがフィルム上映では観えることにも、今回、気がつきました。いくつかの劇場からも上映してくれる申し出をいただき、とてもうれしく思います。

【35ミリフィルム上映を実施予定の劇場】(2017.11.27現在)
■東京/渋谷・ユーロスペース
■愛知/名古屋シネマテーク
■北海道/札幌・シアターキノ
■石川/金沢・シネモンド
■山口/山口情報芸術センター[YCAM]
■群馬/シネマテークたかさき           
…ほか3劇場(予定)
※期間・上映回等、限定での上映となります。すべての回が対象ではございません。
35ミリフィルム上映実施回につきましては各上映劇場までお問合せください。

『希望のかなた』
2017年12月2日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本:アキ・カウリスマキ
出演:シェルワン・ハジ サカリ・クオスマネン
配給:ユーロスペース

【ストーリー】 内戦が激化する故郷シリアを逃れた青年カーリドは、生き別れた妹を探して、偶然にも北欧フィンランドの首都ヘルシンキに流れつく。空爆で全てを失くした今、彼の唯一の望みは妹を見つけだすこと。ヨーロッパを悩ます難民危機のあおりか、この街でも差別や暴力にさらされるカーリドだったが、レストランのオーナーのヴィクストロムは彼に救いの手を差しのべ、自身のレストランに雇い入れる。そんなヴィクストロムもまた行きづまった過去を捨て、人生をやり直そうとしていた。それぞれの未来を探す2人はやがて“家族”となり、彼らの人生には希望の光がさし始める…。

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