“カミサマ”の肖像画に礼拝、髪型は七三分け、個人番号管理…これが理想郷!?『鈴木さん』予告編

第25回ブチョン国際ファンタスティック映画祭や第11回北京国際映画祭などの海外の国際映画祭で映画賞を受賞し、昨年の第33回東京国際映画祭でも上映され大きな反響を呼んだ、いとうあさこが主演を務める、日本映画としては稀有なディストピア映画『鈴木さん』が、2022年2月4日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

日本で2番目に多い姓であり、人口の1.44%を占めるとされる「鈴木」。「鈴木さん」とは誰なのか。「鈴木さん」とは何なのか。本作は、多くの人がタイトルから想像・予想し得るいかなる作品世界をも裏切る、かつてない日本映画。物語の舞台となるのは、現人神である“カミサマ”を国家元首とする、とある国。この国では、“カミサマ”が国民の前にその姿を見せなくなってから20年が経った。少子化対策のため、未婚者徴兵制が敷かれ、国民全員が個人番号で管理され、多くの国民がこの国を理想郷だと思っている。物語は、介護士として生計をたてるよしこと彼女の前に突如として現れる謎の男との出会いから始まる。

予告編は、呪術的な音楽とともに、“カミサマ”の肖像画がゆっくりと映し出され、生い茂る草むらをかき分ける謎の男、のっぺりとした表情をしている3人の中年男性、「鈴木」と口々に発する3人の老婆など、脈絡もなく次々と登場人物が映し出され、不穏な雰囲気を醸し出している。その後、「“カミサマ”の肖像画には礼拝を」「髪の毛は七三分けに」「手首に刻まれた個人番号」など、この国が理想郷たる所以の様々な条例や慣習が紹介されている。

『鈴木さん』
2022年2月4日(金) 全国公開
監督・脚本・編集:佐々木想
出演:いとうあさこ 佃典彦 大方斐紗子 保永奈緒 宍戸開
配給:Incline

【ストーリー】 国家元首“カミサマ”のもと、美しく輝く某島国の某町。少子化にあえぐその町では市民投票により、未婚者は市民権を失うという条例が制定される。廃ラブホテルで介護施設を営むよしこ(いとうあさこ)は、迷い込んできた中年男性と結婚しようとするが…。

©映画「鈴木さん」製作委員会