吉行和子 × 菜葉菜 × 寛一郎 木村紅美による芥川賞候補作を映画化『雪子さんの足音』第一弾場面写真

木村紅美による芥川賞候補となった小説を、主演に吉行和子、共演に菜葉菜、寛一郎を迎えて映画化した『雪子さんの足音』が、5月18日より公開される。このほど、本作の第一弾場面写真がお披露目となった。

洋館“月光荘”の二階を下宿人に貸す大家の川島雪子(吉行和子)は、放蕩息子の死をきっかけに居間をサロンとして下宿人に解放する。その常連の小野田香織(菜葉菜)は、肉親や職場の人間関係に屈折した感情を抱いていた。二年前から間借りしていた男子大学生の湯佐薫(寛一郎)もサロンに招かれるが、その日から、夕食会や部屋に食事を届ける出前、ポチ袋に入ったお小遣いなど、過剰な善意と物質的な援助が続く。薫はついに逃げ出してしまうが、20年経って雪子が孤独死したことを知り、再び月光荘を訪れようとする。

第一弾場面写真は、雪子(吉行和子)一人を捉えたものと、雪子を中心に、小野田(菜葉菜)と薫(寛一郎)と写る2ショット。雪子と小野田が楽しげに餌をあげる異様に大きな金魚に注目だ。サロンの隅の水槽の金魚は、薫にとって、次第にシンボリックな存在となる。一方、電車の写真は、お墓まいりに薫が付き合うシーンのもの。どこまで雪子を受け入れたらいいのか思い惑う表情が見て取れる。70歳の大家・雪子は世間並みの優しい「おばあちゃん」ではなく、過剰な好意で薫の生活に踏み込んでくる。薫にとって雪子はどんな存在になっていくのか。

『雪子さんの足音』
5月18日(土)より渋谷・ユーロスペースにて公開
6月15日(土)より横浜シネマ・ジャック&ベティにて公開ほか全国順次ロードショー
監督:浜野佐知
原作:木村紅美「雪子さんの足音」(講談社刊)
脚本:山﨑邦紀
音楽:吉岡しげ美
出演:吉行和子 菜葉菜 寛一郎 大方斐紗子 野村万蔵 宝井誠明 佐藤浩市
配給:旦々舎

【ストーリー】 月光荘の大家、雪子さん(吉行和子)は、教養もあり文化的な香りを漂わせる。テレフォンオペレーターの小野田さん(菜葉菜)と雪子さんがサロンと呼ぶ部屋に、大学生の薫くん(寛一郎)も招かれた。それをきっかけに真綿で首を絞めるようなご馳走ぜめとぽち袋のお小遣い。二人の女性の欲望とエネルギーに触れ、底知れない恐怖を覚えた薫くんは月光荘を逃げ出した。それから20年の月日が流れ、月光荘の呪縛から逃れられない薫くんに、雪子さんの足音が聞こえてくる。孤独死した雪子さんと、月光荘を再訪した薫くんが、心の底で望んでいたものは?

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