黒沢あすか「眠らせていたもう一人の自分がざわめき立った」神尾楓珠W主演の心理スリラー『親密な他人』2022年春公開!

中村真夕監督が、黒沢あすかと神尾楓珠のダブル主演で贈る、コロナ禍の東京を舞台に誕生した心理スリラー『親密な他人』が、2022年春に公開されることが決定した。併せて、特報映像とティザービジュアルがお披露目となった。

46歳のパート販売員・石川恵は、最愛の息子・心平が一年前に行方不明になり、その帰りをずっと待ち続けてきた。そんなある日、彼女の前に息子の消息を知っていると言う20歳の謎の青年・井上雄二が現れる。心平の消息をめぐって、やがて二人は親子のような、恋人のような不思議な関係になる。しかし雄二には隠された目的が、また恵には誰にも言えない秘密があった。

主演は、『六月の蛇』、『冷たい熱帯魚』をはじめ数々の映画・ドラマにて鮮烈な印象を刻み続けるベテラン女優・黒沢あすか。18年ぶりの主演映画となる本作で、愛する人を失っても、身代わりを見つけようとするいびつな母性と狂気を演じる。企てをもって女に近づく、母の愛を知らない孤独な青年役には、注目の若手俳優・神尾楓珠。映画『彼女が好きなものは』、『20歳のソウル』、今秋ドラマ「顔だけ先生」など主演作品が控える中、新たな側面を魅せる。また、失踪した息子役に、『許された子どもたち』で毎日映画コンクールスポニチグランプリ新人賞に輝いた上村侑。そのほか、尚玄、佐野史郎、丘みつ子など実力派名優が脇を固める。

監督は、ドキュメンタリーとドラマの境界を自由に行き来して映画を作り続ける中村真夕。劇映画『ハリヨの夏』で監督デビュー後、ドキュメンタリー映画『ナオトひとりっきり』『愛国者に気をつけろ!鈴木邦男』など独自の視線で社会を見つめ、国内外映画祭で高い評価を受ける監督が、「母性とは、神聖なものなのか」という疑問を、長年あたため続けた本作にて問いかける。

本作は、劇場公開に先立ち、10月30日から11月8日にわたり開催される第34回東京国際映画祭の「NipponCinema Now部門」に正式出品され、11月3日にワールド・プレミア上映として披露される。

■中村真夕(監督・脚本) コメント
私がこの映画で描こうと試みたのは、日本の母親の包みこむような温かさと、のみこむような怖さだ。14年間、イギリスとアメリカで過ごし、日本に帰ってきて一番衝撃的だったのは、日本の母親の子ども(特に息子に対する)並々ならぬ愛情の注ぎ方と、執着だった。それはある意味、日本だけでなく、韓国や中国にも共通するアジア的なものかもしれない。この映画では、依存し愛し過ぎるが故に、親子関係がいびつになっていく状況を、ミステリーを絡めた物語にした。日本だけでなく欧米でも、母親は神聖なものとして扱われることが多いが、そうではない悪女性も同時に表現できればと考えている。母性と女性の間でゆれながら、生きるリアルな女性を、これからも映画の中で描きたいと考えている。

■黒沢あすか(石川恵役) コメント
演じました“石川恵”も私も決して若くはありません。でもそのぶん酸いも甘いも経験した道を歩いて来たはずと、自分を鼓舞させた日を思い出します。中村監督とめぐり逢い、眠らせていたもう一人の自分がざわめき立ちました。

『親密な他人』
2022年春 ユーロスペースほか全国順次公開
監督・脚本:中村真夕
出演:黒沢あすか 神尾楓珠 上村侑 尚玄 佐野史郎 丘みつ子
配給:シグロ

【ストーリー】 46歳のパート販売員・石川恵(黒沢あすか)。最愛の息子・心平が一年前に行方不明になり、その帰りをずっと待ち続けてきた。そんなある日、彼女の前に息子の消息を知っていると言う20歳の謎の青年・井上雄二(神尾楓珠)が現れる。心平の消息をめぐって、やがて二人は親子のような、恋人のような不思議な関係になる。しかし雄二には隠された目的が、また恵には誰にも言えない秘密があった。

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