【ゆうばり映画祭】國村隼が語る『ブラック・レイン』、『ハード・ボイルド 新・男たちの挽歌』、『キル・ビル Vol.1』撮影裏話

「俳優・國村隼KOKOROの声」

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2017、3月4日(土)に、國村隼の魅力に迫る特別プログラム「國村隼トーク企画『俳優・國村隼KOKOROの声』」を実施。役作りや撮影秘話など、ここでしか聞けないエピソードが次々と飛び出し、会場を大いに盛り上げた。

今年のゆうばり映画祭には、出演する『KOKORO』と『哭声/コクソン』の2本で参加している國村。すでにこの2本だけでも、前者は人々に静かに寄り添うおだやかな男、後者は狂気に満ちた正体不明のよそ者と、まったく異なる演技で観客を魅了している。そんな幅広い役柄を演じ続ける國村だが、役作りのポイントは「イメージを違和感なく腑に落とすこと」だという。一番の目的は、脚本の世界観を具現化すること。自分の役以外も台本のすべてを読み込み、「國村隼として感じるのではなく、その役がどう感じるか」が大切だと語った。

トークは幼少期や学生時代、劇団を経て映画デビューするまでじっくり語られ、有名作品出演時の裏話におよぶと、会場の盛り上がりは最高潮に!國村は、リドリー・スコット監督の『ブラック・レイン』(1989)、ジョン・ウー監督の『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』(1992)、クエンティン・タランティーノ監督の『キル・ビル Vol.1』(2003)など、海外のビッグネームによる大作の製作秘話を次々に披露。『ブラック・レイン』の現場ではリドリー・スコットに「クニ」と呼ばれ、撮影時に何度も何度もテイクを重ねることでいろんな演技を引き出されたことや、『ハードボイルド 新・男たちの挽歌』ではジョン・ウーに「僕は君のここ(顔)が撮りたい」とずばり言われた話が語られた。そして『キル・ビル Vol.1』では、國村の顔を知らない北京のスタッフたちが、特殊メイクで出来た彼の“生首”で先に顔を認識し、いざ國村が現地を訪れた際に爆笑された話を繰り広げ、会場を大いに盛り上げた。

最後に「役者とは、演技とは」を問われると、國村は「基本的には、役者はエンターテイナーであるべき」と答え、「俳優の仕事というのは、作品としてお客さんに楽しんでもらうのが一番の使命で、やらねばならないこと。そういう意識を継続していけるのがプロの俳優」と真剣なまなざしで語った。本人の軽快かつ濃厚なトークや熱い思いを目の当たりにし、会場中があらためて俳優・國村隼の底知れぬ魅力を実感する機会となった。

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