授賞式を欠席したアンソニー・ホプキンス「83歳で受賞するとは」オスカー受賞で感謝のメッセージ!

4月25日(現地時間)に発表された第93回アカデミー賞において、『ファーザー』で主演男優賞を受賞し、授賞式を欠席したアンソニー・ホプキンスが、喜びと感謝のメッセージを自身のインスタグラムで発信した。

▲アンソニー・ホプキンスのインスタグラム(anthonyhopkins)より

同作で認知症の父親を演じたアンソニーは、史上最年長となる83歳で主演男優賞を受賞。オスカーノミネートは6度目、受賞は1992年の『羊たちの沈黙』以来となる2度目となった。

今年は主演男優賞がトリを飾るという異例の発表順で、アンソニーが授賞式を欠席したためスピーチがないままセレモニーが終了してしまうことに。授賞式終了後、アンソニーは故郷であるイギリスのウェールズからメッセージ動画を発信した。

映像では美しい田園風景をバックに、アンソニーが「おはよう。私は今、故郷のウェールズにいる。83歳という年齢で、この賞を受賞するとは予想していなかった」と、予想外の受賞だったとコメント。

「あまりにも早く私たちのもとを去ってしまったチャドウィック・ボーズマンに敬意を表します」と、同賞に『マ・レイニーのブラックボトム』でノミネートされ、昨年8月に結腸がんのため43歳の若さで亡くなったチャドウィック・ボーズマンを追悼し、「この受賞は全く予想していなかったので本当に光栄です。ありがとう」と感謝の気持ちを伝えている。

アンソニーは、本年度の第74回英国アカデミー賞(BAFTA)でも主演男優賞に輝いたが、4月10日、11日(現地時間)に英ロンドンで行われた授賞式を欠席。この日も地元のウェールズにいたというアンソニーは、授賞式後にリモートで行われたインタビューで「予想していなかった」と驚きつつ、「実は、ホテルの部屋で絵を描いていたんだ」と明かして話題となっていた。

『ファーザー』は、年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描く感動作。アンソニーは、自身と同じ名前、同じ年齢、同じ誕生日という設定の認知症を患う父を演じる。共演は、アンソニー演じる父の娘役に、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。監督は、数々の戯曲を手がけ、本作が映画初監督作となるフロリアン・ゼレールが務める。本年度のアカデミー賞では6部門にノミネート、主演男優賞のほか、脚色賞を受賞した。日本では5月14日に公開予定だ。

アンソニーは、舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、1968年に『冬のライオン』で映画デビュー。英米の数々の作品に出演し、『羊たちの沈黙』(1991)で殺人鬼ハンニバル・レクター役を演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞。『ハンニバル』(2001)、『レッド・ドラゴン』(2002)でも同役を演じた。『日の名残り』(1993)、『ニクソン』(1995)、『アミスタッド』(1997)、『2人のローマ教皇』(2019)でもアカデミー賞ノミネートを果たしている。近年は、マーベル映画『マイティ・ソー』シリーズ(2011、2013、2017)に主人公ソーの父オーディン役で出演した。

そのほかの出演作は、『エレファント・マン』(1980)、『ハワーズ・エンド』(1992)、『ドラキュラ』(1992)、『マスク・オブ・ゾロ』(1998)、『ジョー・ブラックをよろしく』(1998)、『ヒッチコック』(2012)、『ノア 約束の舟』(2014)、『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)、ドラマ「ウエストワールド」(2016〜2018)などがある。