【第93回アカデミー賞受賞結果】『ノマドランド』が作品賞、監督賞、主演女優賞の最多3部門受賞!

第93回アカデミー賞授賞式が4月25日(現地時間)に米ロサンゼルスで行われ、アメリカの車上生活者たちを描いた『ノマドランド』が作品賞を受賞した。本作はこのほか、クロエ・ジャオ監督が監督賞、フランシス・マクドーマンドが3度目となる主演女優賞を受賞し、最多3冠に輝いた。ジャオ監督は女性監督として史上2人目、アジア系女性監督として初受賞という快挙を成し遂げた。

▲『ノマドランド』 ©︎ 2020 20th Century Studios. All rights reserved.

主演男優賞は『ファーザー』で認知症の父親を演じたアンソニー・ホプキンス。1992年の『羊たちの沈黙』以来となる2度目のオスカー、83歳で史上最年長での同賞受賞となった。また、助演女優賞は『ミナリ』のユン・ヨジョンが韓国人俳優として初受賞、助演男優賞は『Judas and The Black Messiah(原題)』のダニエル・カルーヤに贈られた。

▲『ファーザー』(5月14日公開) © NEW ZEALAND TRUST CORPORATION AS TRUSTEE FOR ELAROF CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION TRADEMARK FATHER LIMITED F COMME FILM CINÉ-@ ORANGE STUDIO 2020

アニメ映画賞にはディズニー&ピクサーの『ソウルフル・ワールド』が選出され、同作は作曲賞も獲得した。最多10部門にノミネートされた『Mank/マンク』は、撮影賞、美術賞の2部門受賞という結果となった。

以下は、受賞結果。(★は受賞作品・受賞者)

■作品賞
『ファーザー』(5月14日公開)
『Judas and The Black Messiah(原題)』
『Mank/マンク』
『ミナリ』
★『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』(7月16日公開)
『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
『シカゴ7裁判』

■監督賞
トマス・ヴィンターベア『アナザーラウンド』(9月3日公開)
デヴィッド・フィンチャー『Mank/マンク』
リー・アイザック・チョン『ミナリ』
★クロエ・ジャオ『ノマドランド』
エメラルド・フェネル『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■主演男優賞
リズ・アーメッド『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
チャドウィック・ボーズマン『マ・レイニーのブラックボトム』
★アンソニー・ホプキンス『ファーザー』
ゲイリー・オールドマン『Mank/マンク』
スティーヴン・ユァン『ミナリ』

■主演女優賞
ヴィオラ・デイヴィス『マ・レイニーのブラックボトム』
アンドラ・デイ『The United States vs. Billie Holiday(原題)』
ヴァネッサ・カービー『私というパズル』
★フランシス・マクドーマンド『ノマドランド』
キャリー・マリガン『プロミシング・ヤング・ウーマン』

■助演男優賞
サシャ・バロン・コーエン『シカゴ7裁判』
★ダニエル・カルーヤ『Judas and The Black Messiah』
レスリー・オドム・Jr.『あの夜、マイアミで』
ポール・レイシー『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
ラキース・スタンフィールド『Judas and The Black Messiah』

■助演女優賞
マリア・バカロヴァ『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』
グレン・クローズ『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
オリヴィア・コールマン『ファーザー』
アマンダ・セイフライド『Mank/マンク』
★ユン・ヨジョン『ミナリ』

■脚本賞
『Judas and The Black Messiah』ウィル・ベルソン&シャカ・キング
『ミナリ』リー・アイザック・チョン
★『プロミシング・ヤング・ウーマン』エメラルド・フェネル
『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』ダリウス・マーダー&アブラハム・マーダー
『シカゴ7裁判』アーロン・ソーキン

■脚色賞
『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』サシャ・バロン・コーエン&アンソニー・ハインズ&ダン・スウィマー&ピーター・ベイナム&エリカ・リヴィノジャ&ダン・メイザー&ジェナ・フリードマン&リー・カーン
★『ファーザー』クリストファー・ハンプトン&フロリアン・ゼレール
『ノマドランド』クロエ・ジャオ
『あの夜、マイアミで』ケンプ・パワーズ
『ザ・ホワイトタイガー』ラミン・バーラニ

■撮影賞
『Judas and The Black Messiah』
★『Mank/マンク』
『この茫漠たる荒野で』
『ノマドランド』
『シカゴ7裁判』

■編集賞
『ファーザー』
『ノマドランド』
『プロミシング・ヤング・ウーマン』
★『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』
『シカゴ7裁判』

■美術賞
『ファーザー』
『マ・レイニーのブラックボトム』
★『Mank/マンク』
『この茫漠たる荒野で』
『TENET テネット』

■音響賞 ※録音賞と音響編集賞が統合
『グレイハウンド』
『Mank/マンク』
『この茫漠たる荒野で』
『ソウルフル・ワールド』
★『サウンド・オブ・メタル 〜聞こえるということ〜』

■衣装デザイン賞
『Emma.(原題)』
★『マ・レイニーのブラックボトム』
『Mank/マンク』
『ムーラン』
『Pinocchio(原題)』

■メイク・ヘアスタイリング賞
『Emma.(原題)』
『ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-』
★『マ・レイニーのブラックボトム』
『Mank/マンク』
『Pinocchio(原題)』

■視覚効果賞
『ラブ&モンスターズ』
『ミッドナイト・スカイ』
『ムーラン』
『ゴリラのアイヴァン』
★『TENET テネット』

■作曲賞
『ザ・ファイブ・ブラッズ』
『Mank/マンク』
『ミナリ』
『この茫漠たる荒野で』
★『ソウルフル・ワールド』

■歌曲賞
★「Fight For You」『Judas and The Black Messiah』
「Hear My Voice」『シカゴ7裁判』
「Husavik」『ユーロビジョン歌合戦 〜ファイア・サーガ物語〜』
「Io sì」(英題:Seen)『これからの人生』
「Speak Now」『あの夜、マイアミで』

■国際長編映画賞
★『アナザーラウンド』(デンマーク)
『少年の君』(香港)(7月16日公開)
『Collective(英題)』(ルーマニア)
『皮膚を売った男』(チュニジア)
『アイダよ、何処へ?』(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)(9月17日公開)

■アニメ映画賞
★『ソウルフル・ワールド』
『2分の1の魔法』
『フェイフェイと月の冒険』
『映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!』
『ウルフウォーカー』

■短編アニメ映画賞
『夢追いウサギ』
『Genius Loci(原題)』
★『愛してるって言っておくね』
『Opera(原題)』
『Yes-People(原題)』

■短編実写映画賞
『Feeling Through(原題)』
『The Letter Room(原題)』
『The Present(英題)』
★『隔たる世界の2人』
『白い自転車』

■長編ドキュメンタリー賞
『Collective』
『ハンディキャップ・キャンプ:障がい者運動の夜明け』
『老人スパイ』
★『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』
『タイム』

■短編ドキュメンタリー賞
★『Colette(原題)』
『A Concerto Is a Conversation(原題)』
『Do Not Split(原題)』
『Hunger Ward(原題)』
『ラターシャに捧ぐ 〜記憶で綴る15年の生涯〜』