アンソニー・ホプキンスの優しい“指導”、アン・ハサウェイの愛するがゆえの“過干渉”『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』本予告編

『エヴァの告白』(13)、『アド・アストラ』(19)など社会派からSFまで精力的に新作を世に送り出し続けるジェームズ・グレイが製作・監督・脚本を務め、アン・ハサウェイ、アンソニー・ホプキンス、ジェレミー・ストロングら一流キャストが競演する『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』が5月12日より公開される。このほど本予告編と本ポスタービジュアルがお披露目となった。

1980年、ニューヨーク。白人の中流家庭に生まれ育ったポール(バンクス・レペタ)は、公立学校に通う12歳。PTA会⻑を務める教育熱心な母エスター(アン・ハサウェイ)、働き者でユーモラスな父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、私立学校に通う優秀な兄テッド(ライアン・セル)と不自由なく過ごしているが、近ごろは家族に対して苛立ちと居心地の悪さを感じる毎日。そんなポールにとって、祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)はただ一人の心を許せる良き理解者であった。想像力が豊かで芸術に興味を持つポールにとって、規律を重んじる学校生活は窮屈そのもの。そのため周囲との集団生活にうまく馴染めずにいたが、クラス一の問題児である黒人生徒ジョニー(ジェイリン・ウェッブ)だけは唯一の打ち解けられる友人だ。しかしある日、ポールとジョニーがやらかした些細な悪さが、2人の行く末を大きく分けることになる。

「今こそアメリカの理想を実現させる時です」映像は、冷戦の緊張がさらに高まる1980年代当時のアメリカの空気感を象徴するような、レーガン大統領の演説から始まる。続いて映し出されるのは、アメリカン・ドリームに夢を馳せるある一家の日常風景。「芸術家になりたい」と無邪気に将来の夢を語る子供ポール、「望めば何にだってなれるさ」と無条件で応援する祖父アーロン、そして、そんなどこか呑気な2人に対して「大学だけは行って」と小言をいう現実的な母エスターの姿。それはどこにでもある家族の日常風景だったが、ある日親友との些細な“悪さ”がバレたことをきっかけに、これまで当たり前だったポールの日常が少しずつ変化していく。

息子へ過大な期待を寄せ続ける母と、尊大だと思っていた父が漏らす切ない本音、そして、この国、社会で生きていくために“差別”に声を上げられない自分。「高潔に生きろ」祖父ポールの願いとともに、少しずつ漏れゆく家族の軋み、そしてままならない人生の苦みを少しずつポールは受け入れていくことになる。アンソニー・ホプキンスの優しく、そして時には厳しく少年を“ただしい道”へと導いていこうとする様子や、アン・ハサウェイのポールを愛するがゆえに過干渉してしまう姿など、名優たちの静かながらも圧倒的な演技も必見の本予告編となっている。

本ポスタービジュアルは少年ポールと彼を取り巻く家族や親友との関係を切り取ったもの。アン・ハサウェイがポールに額を合わせ、母の愛を伝える写真や、アンソニー・ホプキンスが孫のポールに語りかける愛にあふれた写真が、対照的な不穏さも感じさせるちぎり絵のようなコラージュデザインにて、ポールとその家族の苦くも愛に溢れた日々の積み重ねをイメージさせるような、エモーショナルで印象的なものとなっている。

『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』
2023年5月12日(金)より、TOHO シネマズシャンテほか全国公開
製作・監督・脚本:ジェームズ・グレイ
出演:アン・ハサウェイ ジェレミー・ストロング バンクス・レペタ ジェイリン・ウェッブ アンソニー・ホプキンス
配給:パルコ ユニバーサル映画

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