アンソニー・ホプキンス「絵を描いていた」英国アカデミー賞授賞式を欠席、主演男優賞を受賞!

『羊たちの沈黙』のハンニバル・レクター役で知られる名優アンソニー・ホプキンスが、第74回英国アカデミー賞(BAFTA)で主演男優賞を受賞。今回の授賞式を欠席したアンソニーは、その理由をインタビューで明かした。

▲受賞を喜ぶアンソニー・ホプキンス
アンソニー・ホプキンスのインスタグラム(anthonyhopkins)より

4月10日、11日(現地時間)、英ロンドンで第74回英国アカデミー賞授賞式が現地の会場とバーチャル形式で開催。アンソニーは『ファーザー』で主演男優賞に輝き、83歳で歴代最年長となる受賞者となった。

本年度の英国アカデミー賞において、『ファーザー』は主演男優賞、脚色賞の2部門を受賞した。授賞式を欠席し、地元の英ウェールズにいたというアンソニーは、授賞式後にリモートで行われたインタビューで、今回の受賞は「素晴らしいことだ」と喜びのコメント。「嬉しいボーナスだよ。ノミネートされた皆さんや受賞者をお祝いしたい」と他の候補者を称えた。

受賞した瞬間はセレモニーの様子を見ていなかったようで、「とても驚いた。予想していなかった」というアンソニー。「実は、ホテルの部屋でここに座って絵を描いていたんだ。隣の部屋で歓声が聞こえたから、誰かがフットボールの試合を見ているんだと思ったよ。それで、監督のフロリアン(・ゼレール)からメッセージが届いた」と、絵の具で汚れた手を披露しながら笑って答えている。


▲英国アカデミー賞のバックステージインタビューの映像。アンソニーの受賞の感想は3:50から。

その後、アンソニーは自身のインスタグラムで感謝のメッセージを投稿。英国アカデミー賞、フロリアン・ゼレール監督、共演者のオリヴィア・コールマン、さらにキャスト&クルー、配給会社へ「感謝しています」と伝え、「地元のウェールズでシュールな瞬間をお祝いしているよ」とつづっている。

英国アカデミー賞において、アンソニーは今回で8度目のノミネート、5度目の受賞。2008年には特別功労賞にあたるフェローシップ賞が授与されている。

『ファーザー』は、年齢と共に誰もが経験する喪失と親子の愛を、記憶や時間が混迷していく父の視点で描く感動作。主演のアンソニーは、自身と同じ名前、同じ年齢、同じ誕生日という設定の認知症を患う父を演じる。共演は、アンソニー演じる父の娘役に、『女王陛下のお気に入り』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したオリヴィア・コールマン。監督は、数々の戯曲を手がけ、本作が映画初監督作となるフロリアン・ゼレールが務める。本作は、4月26日(日本時間)に発表される第93回米アカデミー賞で、作品賞、主演男優賞ほか6部門にノミネートされている。日本では5月14日に公開予定だ。

ウェールズ出身のアンソニーは、舞台俳優としてキャリアをスタートさせ、1968年に『冬のライオン』で映画デビュー。英米の数々の作品に出演し、『羊たちの沈黙』(1991)で殺人鬼ハンニバル・レクター役を演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞。『ハンニバル』(2001)、『レッド・ドラゴン』(2002)でも同役を演じた。『日の名残り』(1993)、『ニクソン』(1995)、『アミスタッド』(1997)、『2人のローマ教皇』(2019)でもアカデミー賞ノミネートを果たしている。近年は、マーベル映画『マイティ・ソー』シリーズ(2011、2013、2017)に主人公ソーの父オーディン役で出演した。

そのほかの出演作は、『エレファント・マン』(1980)、『ハワーズ・エンド』(1992)、『ドラキュラ』(1992)、『マスク・オブ・ゾロ』(1998)、『ジョー・ブラックをよろしく』(1998)、『ヒッチコック』(2012)、『ノア 約束の舟』(2014)、『トランスフォーマー/最後の騎士王』(2017)、ドラマ「ウエストワールド」(2016〜2018)などがある。