【全文掲載】伊藤健太郎「約一年、お休みさせていただいた…、すごく怖い気持ちはあった」撮影初日の本音を告白!

MC:ありがとうございます(笑)。本当に色々お話伺ってきたんですけど、あっという間、時間が近づいてまいりまして。最後に皆さんから是非一言ずつ熱いメッセージをいただければと思います。

阪本:伊藤健太郎くん主演であり、群集劇であり、様々な世代の人たちが蠢く映画です。伊藤くんは演技ができる喜びを語ってますけど、結構役柄的には追い込まれて、僕も追い込んだところがあります。で、冒頭に「感慨深い」って言ったのは、撮影が動き出したときに、今日、健太郎くんを待ってる人たちの前にお連れするっていうのが仕事だったんで、今日がその日だと思うと、なんかこっちの方が感慨深くなってしまって(笑)。すいません。また公開したらいろんな方にお勧めください。今日はありがとうございます。

余:伊藤健太郎さんと仕事ができて本当に嬉しかったと思います。そんな華やかな内容ではないんですけれども、どうか静かに、ささやかに、密やかにどうぞお楽しみください。どうぞよろしくお願いいたします。

小林:先ほど色んな人と話してて、日本映画って若い人たちの映画、渋い年寄りの映画の2つに分かれていて、2つが融合しているような映画ってないですよねって思って。今回の映画は、若い人たちの中で、僕たちのような取り残されたような仕事をずっとしている人たち、あるいは家族の話も入ってますので、もしかしたら自分の人生というか、自分に近い話じゃないかと思って観ていただけるといいなと思っています。あとはゆっくり楽しんでください。ありがとうございました。

伊藤:本日はお集まりいただき、本当にありがとうございました。復帰という形で、この映画に携わらせていただきました。いろいろな意見、賛否あることは覚悟してますけど、公開するにあたって怖い部分ももちろんあるんですけど、あのタイミングでできる最大の力を出し切ったつもりですし、自信を持って皆様にお届けできると思っています。観ていただく方々、皆さんに刺さるシーン、キャラクター、台詞が一つは必ずあると思いますので、ぜひ楽しんでもらえたらなと思っております。この場を借りて、自分が今ここに立てているように、自分に携わってくださった方々、作品に携わってくださった方々、事務所の方々、家族、友達、全ての方々、そして何よりここに来てくださっている方々に、この場を借りて感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

『冬薔薇(ふゆそうび)』
2022年6月3日(金)より、新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:阪本順治
出演:伊藤健太郎 小林薫 余貴美子 眞木蔵人 永山絢斗 毎熊克哉 坂東龍汰 河合優実 佐久本宝 和田光沙 笠松伴助 伊武雅刀 石橋蓮司
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋立て用の土砂を運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ましながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった…。

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