伊藤健太郎「カメラの前に立てる事に感謝しかありません」阪本順治監督が脚本を当て書き!『冬薔薇(ふゆそうび)』2022年6月公開!

『一度も撃ってません』『半世界』『弟とアンドロイドと僕』の阪本順治監督が、2年ぶりの映画出演となる伊藤健太郎を主演に迎えてオリジナル脚本で描く意欲作『冬薔薇(ふゆそうび)』が、2022年6月に公開されることが決定した。

本作は、阪本順治監督によるオリジナル脚本で、人間の業を切なく儚く紡ぐ映画。舞台はある港町。専門学校にも行かず、“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男・渡口淳。両親は埋立て用の土砂をガット船と呼ばれる船で運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ませながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らない人物のものだった…。

主人公の青年・渡口淳(じゅん)を演じるのは、本作が2年振りの映画出演となる伊藤健太郎。阪本監督は、伊藤健太郎をイメージして脚本を当て書きした。その他にも日本を代表する顔ぶれが出演する(詳細は後日発表)。撮影は今年11月に行われ、30日にオールアップする予定だ。

■阪本順治(監督・脚本) コメント
脚本執筆以前、伊藤健太郎に逢い、生まれてからこれまでのことを、SNS上の噂も含め、あれこれと執拗に訊いた。云いにくいことも多々あったと想うが、彼は、なにも誤魔化さずに応えてくれた。そして、こんな感想を持った。伊藤健太郎は、笑顔を絶やさない賑やかなやつだが、それはもしかしたら虚像かもしれず、実像は、心に捻れをかかえ、戸惑いのまま生きている青年だ、と。だから、その性質を、脚本に生かそうと想った。彼は怒るかもしれないが、いまはまだ辺境をうろつき、誰かを待っている途上だ。俳優とは、自身の中に他者の居場所をさがす仕事だ。不遜な云い方だが、そのお手伝いができるとしたら、光栄だと想った。それは、彼のことを気に入ったからだ。それ以外、なにもない。彼はいま、撮影現場で、俳優としてだけでなく、余力あれば、スタッフとしても働いてくれている。

■伊藤健太郎(渡口淳役) コメント
阪本順治監督とは今作の本が出来上がる前に初めてお会いし、2時間くらい沢山の話をさせていただきました。監督に話した事が本に反映されている部分もあり、読んでいる時点で喜怒哀楽いろんな感情が僕自身の中に巻き起こりました。監督は、キャストに対してスタッフに対して作品に対して、本当に愛に溢れている方です。常に現場にいてカメラのすぐ横で僕達の芝居を見てくれていますし、いてくださるだけで本当に安心します。スクリーンで芝居が出来ること、カメラの前に立てる事に感謝しかありません。観てくださる方々に何かしら受け取って頂けるような素敵な映画に必ずなります。どうか、劇場で見て頂きたいと思います。よろしくお願いします。

『冬薔薇(ふゆそうび)』
2022年6月 新宿ピカデリーほか全国公開
監督・脚本:阪本順治
出演:伊藤健太郎
配給:キノフィルムズ

【ストーリー】 ある港町。専門学校にも行かず、半端な不良仲間とつるみ、友人や女から金をせびってはダラダラと生きる渡口淳(伊藤健太郎)。“ロクデナシ”という言葉がよく似合う中途半端な男だ。両親は埋立て用の土砂を運ぶ海運業を営むが、時代とともに仕事も減り、後継者不足に頭を悩ましながらもなんとか日々をやり過ごしていた。淳はそんな両親の仕事に興味も示さず、親子の会話もほとんどない。そんな折、淳の仲間が何者かに襲われる事件が起きる。そこに浮かび上がった犯人像は思いも寄らぬ人物のものだった…。