【全文掲載】伊藤健太郎「約一年、お休みさせていただいた…、すごく怖い気持ちはあった」撮影初日の本音を告白!

MC:監督から見た伊藤さんの魅力ってどんなところだったんですか?

阪本:本人の前で言いますか(笑)?いや、見てもらえばわかりますよ。一言で言うと、もうスクリーンの似合う子です。スクリーンのアップに耐えられる。当然、小林さんも余さんも(笑)。

MC:伊藤さんは、クランクインの初日ってどんな思いだったんですか?

伊藤:色んな思いがありましたけど、正直なこと言うとめちゃめちゃ怖かったですね。約一年、お休みさせていただいたというのもありましたし、すごく怖い気持ちはあったんですけど、現場に行ったら阪本組ならではの、すごく温かい雰囲気の中で撮影をさせていただいたので、すぐに余計な不安要素を取り除くことができたかなと思ってます。

MC:撮影現場で印象に残っていることはありますか?

伊藤:ベテランの方々ばっかりだったので、すごく刺激をたくさんもらったというか、自分が生まれる前からスクリーンで活躍されている方々と、一番近い距離でお芝居できたのがすごく幸せでしたし、とにかく先輩たちの背中がめちゃくちゃかっこよかったですね。自分より50歳、60歳年上の石橋蓮司さんが、胸張って現場に行かれる姿を後ろから見た時は震えましたし、自分も50年後、60年後にああいう姿でいれるように頑張らないとなって改めて感じさせていただきました。

MC:小林さんはいかがでしたか?

小林:撮影中にですね、プロデューサーの計らいで、「伊藤くんを囲んで一回飲みましょう」と。で、石橋蓮司さんと僕と、伊武雅刀さんと笠松伴助くんと五人で飲んだんですけど、「考えてみたら伊藤くん、この席きつくない?」って。二十代の伊藤くんからしたらさ、石橋さん80、伊武さんが70ちょっとで、僕は70で。若いといっても笠松くんが50いくつ。その年齢構成で飲んだことないと思うんですけど、80の人が一緒の組なんですよ、映画作るときは(笑)。どんな気持ちで聞いてたんだろうと思って、それで「きつくないか?」と聞いたら、コミュニケーションちゃんとできるから「いや、楽しいです」って言うのね。本当かなあと思って(笑)、俺が20代の頃だったら、そんな和やかに飲めるかなと思って(笑)。年寄りの話に飽きちゃうんじゃないかとか思ったんだけど、楽しそうにしてくれたのは面白かったですね。

伊藤:めちゃめちゃ楽しかったですね(笑)。

余:おじさんたちの背中って言ってもね、「立ったまま靴下が履けない」とか、そういうぼやきをずっと聴いてくれてるんですよ(笑)。

MC:阪本監督、伊藤さんが現場で色々お手伝いをしていたというのも聞きました。

阪本:そうですね。自分の出番が終わった後も、夜のシーンが残っているときに、ホテルに石橋蓮司さんのヘルメットを運んでたのは彼ですよね。「石橋さん、置いときます」って。食事のシーンがあって小道具が担当して作るんですけど、その調理を。たまに向こうで弁当食べてる伊藤君に、僕が「早く食べて手伝ってよ」って(笑)。以前からやってたっていうんで、自然にやってましたけどね。座長でもありますから、先輩たちの前には帰れないというのもあったと思うし。

MC:そうなんですか?

伊藤:この現場に限ってことでもないし、こういったところで「俺、やってるぜ」みたいな感じでお話しするほどのことでもないので、恥ずかしいんですけど(笑)。でも状況としては、たまたま自分が終わって空いてて、撮影チームがすごいバタバタだったので、「じゃあそれ持っていくんで」って言ったぐらいのことで、そんなたいしたことじゃないんですけど。それを監督が見てくださって、言ってくださって。

阪本:ただ皆さん、ヘルメットに注目しないでくださいね(笑)。

伊藤:(笑)。

MC:でもそれだけ映画の現場が好きなんですね?

伊藤:そうですね。改めてじゃないですけど、現場は大好きですね。いろんなスタッフさんとお話をさせてもらう時も、キャストの皆さんもそうですけど、お話させていただく中で貰える刺激だったり、面白い話だったりとか。特に蓮司さんからは日本酒の飲み方まで教えていただけるような、すごく楽しい時間を過ごさせていただきました。