宇野愛海、落合モトキ、佐藤快磨監督が登壇!『歩けない僕らは』「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」ジャパンプレミア レポート

6月に香港で開催された第13回Fresh Wave International Short Film Festivalにてワールドプレミアが行われた、宇野愛海、落合モトキら出演の映画『歩けない僕らは』が、2019年に公開となる。このほど、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」の国内コンペティション部門に本作が正式出品され、7月15日に行われたジャパンプレミアに、キャストの宇野愛海、落合モトキ、佐藤快磨監督が登壇した。

本作は、回復期リハビリテーション病院の新人理学療法士と、彼女を取り巻く人々を描く。出演は、岩井俊二プロデュースの連続ドラマ「なぞの転校生」、映画『罪の余白』ほかで女優として活躍中の宇野愛海、『桐島、部活やめるってよ』の落合モトキ、NHK連続テレビ小説「なつぞら」の板橋駿谷、『空(カラ)の味』の堀春菜、PFFアワード2016観客賞受賞作『ヴァニタス』主演の細川岳、「いだてん~東京オリムピック噺~」の門田宗大、『運命じゃない人』の山中聡、本年逝去し、本作が遺作の一つとなった佐々木すみ江。監督は、初の長編映画『ガンバレとかうるせぇ』がPFFアワード2014で映画ファン賞と観客賞をダブル受賞し、釜山国際映画祭ニューカレンツ・コンペティション部門に正式出品された佐藤快磨が務める。

ジャパンプレミアには、キャストの宇野愛海と落合モトキと佐藤快磨監督が登壇。Q&Aでは、現役の理学療法士の観客から、「新人の理学療法士さんの最初の挨拶の手順にのっとってぎこちない感じで患者さんに接する感じだとか、担当を変更させられた時の感じがすごくリアルで、心が痛くなりました」と感想があり、佐藤監督は「回復期リハビリテーション病院を題材にということで、約1年ほど栃木の病院に通わせていただきました。療法士の方に監修についていただき、ご相談しながらだったんですけれど、回復期リハビリテーションは、国で決められた入院の日数が決められている」とのことで、それを反映したストーリーにしたと話した。

「登場人物たちがこれから歩んでいく感じに光があるように感じ、素敵に思えた」という観客からは、落合に「実際は動くのに、左半身が動かないお芝居をする上で、どういったことを意識したか?」という質問が。落合は「僕も撮影前にリハビリテーションの施設に行かせていただいて、生の現場と患者さんを見させていただいて、言い方は悪いですけれど、観察をさせていただきました。自分の身近な親戚にも下半身が半身付随の人がいるので、見て、演じさせていただきました」と回答した。

医療従事者で20年ほど働いているという観客からは、「理学療法士さんの1年目の葛藤というのがすごくよくわかって、私もまだ悩みながら仕事をしているので、色々考えながら拝見させていただきました。仮題は『嘘とホームラン』というタイトルだったけれど、変えた理由は?」という質問があり、監督は「最初は、遥がなぜ理学療法士を目指すようになったかという、遥と遥の彼氏の野球部時代の回想シーンがあったんです」と制作のエピソードが語られた。

男性の観客からは、「人の心の患部にぐりぐり手を突っ込むような映画だった。ラストシーンが印象的だった」と質問があり、監督は「最初、ラストは全く違うラストだったんですけれど、取材中セラピストの方が、『回復期リハビリテーションというのは、大切なのは、歩けることではなく、歩いて何をするかっていうことを一緒に考えていくことなんです』と聞いたときに、なんて仕事だ!と思った。患者さんは障害の残り方もそれぞれ違う中で、療法士さんは答えのない毎日を送っていて、そこにやり甲斐を持っていらっしゃって、それを聞いたときに僕の考え方がすごく作為的に思えてしまって」ラストを変えたと語った。

本作は「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」にて7月19日に上映され、Q&Aには宇野愛海、堀春菜、佐藤快磨監督が登壇する予定だ。

■「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」上映情報
日時:7月19日(金)11:00~上映
Q&A登壇者:宇野愛海 堀春菜 佐藤快磨監督(予定)
チケット価格:コンペ作品1回券 当日券800円/コンペ作品3回券 当日券2100円
※当日券は各上映会場にて、開場時間(10:40)より販売。
※自由席/定員・入替制

『歩けない僕らは』
2019年公開予定
監督・脚本・編集:佐藤快磨
出演:宇野愛海 落合モトキ 板橋駿谷 堀春菜 細川岳 門田宗大 山中聡 佐々木すみ江

【ストーリー】 宮下遥(宇野愛海)は、回復期リハビリテーション病院1年目の理学療法士。まだ慣れない仕事に戸惑いつつも、同期の幸子(堀春菜)に、彼氏・翔(細川岳)の愚痴などを聞いてもらっては、共に励まし合い頑張っている。担当していたタエ(佐々木すみ江)が退院し、新しい患者が入院してくる。仕事からの帰宅途中に脳卒中を発症し、左半身が不随になった柘植(落合モトキ)。遥は初めて入院から退院までを担当することになる。「元の人生には戻れますかね?」と聞く柘植に、何も答えられない遥。日野課長(山中聡)と田口リーダー(板橋駿谷)の指導の元、現実と向き合う日々が始まる。

©映画『歩けない僕らは』