【全起こし】蒼井優「私みたいな顔は、芸能界にいそうでいない」映画『彼女がその名を知らない鳥たち』公開記念トークイベント全文掲載!

MC:では、お時間も迫っているということで最後にヴィレッジヴァンガードのスタッフから質問がありまして、「原作を読んで、もしかしたら2人にとってハッピーエンドではないかと思いました。皆さんどう思われますか?」と。質問が届いているんですけど、ちょっと核心の部分なのでネタばれのないような感じでというか、2人にとってどういう終わり方ですかっていう。まず光浦さんにこのラストは果たしてどうだったのかとちょっと聞いてみたいです。

光浦:これは個人によりますよね。個人的でいいですか? 個人的にはアンハッピーエンドだと思いましたね。光が見えそう…これは見えてないのが本当じゃないかなと。

MC:阿部さんいかがです?

阿部:じゃあ僕はハッピーエンドで。(会場爆笑)

光浦:じゃあ?

阿部:ディスカッションできるエンドだと思いますし、僕から観たらハッピーエンドだと言いたいですね。やっぱりね。結果的には。

MC:蒼井さんいかがですか?

蒼井:個人的にも日によって違うんですね。あのラストについてよく考えることがあるんですけど、すごいあれは美しいって思う、まあ言えないですけど、すごいものを観たなっていう…爽快とはまた違う、突き抜けた感じと突き落とされる感じと日によって違うのが面白いなと思います。話す相手によっても変わってくるので、一人で観に行くと悶々とすると思いますのでお友達とぜひ行っていただきたいなと思います。

白石:僕はですね、結構この映画を観て「良かった!」とハグしてくる人が陣治よりの汚いおっさんなんですよ(笑)。僕もどちらかというと、そちらなので僕はたまらない終わり方なんですよね。ハッピーかアンハッピーかでいうとハッピーであって欲しいと。何をどう託したのかと見て欲しいなという映画になったかなと。

MC:ちなみに私は試写を観た後、すぐ場末の居酒屋に駆け込んでウーロンハイをしこたま飲んだという感じです。皆さん色々語り合ってほしいと思います。

白石:汚い組の方ですね。(会場爆笑)

MC:ご覧のとおり。(笑)では10月28日新宿バルト9ほか全国でロードショーとなります。『彼女がその名を知らない鳥たち』ぜひご覧ください。拍手でお見送りください。ありがとうございました。

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『彼女がその名を知らない鳥たち』
10月28日(土)より全国ロードショー
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫)
出演:蒼井優 阿部サダヲ 松坂桃李 村川絵梨 赤堀雅秋 赤澤ムック 中嶋しゅう 竹野内豊
配給:クロックワークス

STORY 八年前に別れた男・黒崎を忘れられない十和子は、今は15歳上の男・陣治と暮らしている。下品で、貧相で、地位もお金もない陣治を激しく嫌悪しながらも、彼の稼ぎで働きもせず日々を過ごしていた。ある日、十和子は黒崎の面影を思い起こさせる妻子ある男・水島と関係を持ち、彼との情事に溺れていく。そんな時、家に訪ねてきた刑事から「黒崎が行方不明だ」と知らされる。どんなに足蹴にされても文句を言わず、「十和子のためなら何でもできる」と言い続ける陣治が、執拗に自分をつけ回していることに気付いた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯え始める―

(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会