『桐島、部活やめるってよ』、『紙の月』など、人間の光と闇を描き続ける吉田大八監督の最新作『羊の木』が2018年2月3日より公開される。原作は熱狂的な支持を集める山上たつひこ&いがらしみきおの巨匠タッグによる超問題作「羊の木」。マンガ界を震撼させる内容で、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した。このほど、キービジュアルと予告編が公開された。
主人公の月末(つきすえ)を演じるのは、本作が吉田大八監督作品への初参加となる錦戸亮。吉田監督が「ひたすら受けの芝居が続く難しい役柄なのに1シーンとして同じ表情がない。いつまでも見ていたくなる」と絶賛した絶妙な存在感で、思いがけず元受刑者の受け入れ担当者になってしまった気のいい市役所職員の戸惑いと揺れを見事に表現した。共演陣には、松田龍平、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯ほか、日本映画界屈指の実力派が集まり、人間の本性を炙り出す極限のヒューマン・サスペンスが誕生した。
舞台は、ある港町。市役所職員・月末(錦戸亮)は、見知らぬ男女6人(北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平)の受け入れを担当するが、移住してきた彼らは、どこかおかしい。町が抱える過疎問題を解決するために、元受刑者を受け入れるという“国家の極秘プロジェクト”であることを告げられた月末が知った、さらなる衝撃。“彼らは全員、元殺人犯”。本ビジュアルでは、6人の元殺人犯と、月末が思いを寄せる同級生の文(あや:木村文乃)が配置され、見るものを圧倒する迫力が伝わってくる。そして、予告編の冒頭では、さびれた平和な町に、“元殺人犯”という素性を隠しながら新住民として移住してきた男女6人が、新生活を始める姿が映し出される。住民たちは彼らの素性を知らずに交流を持ち、月末の同級生で都会から地元に戻ってきた文は、“元殺人犯”の一人である宮腰(松田)と交際にまで発展。不穏な空気が漂うなか、身元不明の変死体が発見され、静かな町の日常が崩れていく様が垣間見られる。後半にかけて高まる緊張感から、物語は思いがけない方向へと加速して展開されることが予見され、想像を超える衝撃と希望のラストに期待がかかる映像となっている。
『羊の木』
2018年2月3日(土)全国ロードショー
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊)山上たつひこ いがらしみきお
出演:錦戸亮 木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯 松田龍平
配給:アスミック・エース
【ストーリー】 ある寂れた港町“魚深(うおぶか)”にやってきた見知らぬ6人の男女。平凡な市役所職員・月末(つきすえ)は彼らの受け入れを命じられた。受刑者を仮出所させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクト。月末、町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は知らされなかった。しかし、月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。素性の知れない彼らの過去を知ってしまった月末。そして、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文(木村文乃)を巻き込み、町の人々と6人の心が交錯し始める。
© 2018「羊の木」製作委員会 ©山上たつひこ いがらしみきお/講談社