錦戸亮主演『羊の木』ボブ・ディランのカバー曲が主題歌に決定!

『桐島、部活やめるってよ』、『紙の月』など、人間の光と闇を描き続ける吉田大八監督の最新作『羊の木』が2018年2月3日より公開される。原作は熱狂的な支持を集める山上たつひこ&いがらしみきおの巨匠タッグによる超問題作「羊の木」。マンガ界を震撼させる内容で、2014年文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞した。このほど、本作の主題歌がボブ・ディランの「DEATH IS NOT THE END」のニック・ケイヴによるカバー曲に決定した。

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主人公の月末(つきすえ)を演じるのは、本作が吉田大八監督作品への初参加となる錦戸亮。吉田監督が「ひたすら受けの芝居が続く難しい役柄なのに1シーンとして同じ表情がない。いつまでも見ていたくなる」と絶賛した絶妙な存在感で、思いがけず元受刑者の受け入れ担当者になってしまった気のいい市役所職員の戸惑いと揺れを見事に表現した。共演陣には、松田龍平、木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯ほか、日本映画界屈指の実力派が集まり、人間の本性を炙り出す極限のヒューマン・サスペンスが誕生した。

舞台は、ある港町・魚深市。市役所職員・月末(錦戸亮)は、見知らぬ男女6人(北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平)の受け入れを担当するが、移住してきた彼らは、どこかおかしい。町が抱える過疎問題を解決するために、元受刑者を受け入れるという“国家の極秘プロジェクト”であることを告げられた月末が知った、さらなる衝撃。“彼らは全員、元殺人犯”だった。

さびれた港町にやってきた6名の元殺人犯。小さな町の日常の歯車が少しずつ狂い始め、誰も想像しえない衝撃と希望のラストを締めくくる主題歌に決定したのは、「DEATH IS NOT THE END」。“死は終わりではない”と意味深に歌い上げるこの曲は1988年にボブ・ディランにより発表された。本作で採用された音源は、“最高の詩人”とも評されるオーストラリアの鬼才ニック・ケイヴがカバーしたもの。この曲ではニックだけでなく、カイリー・ミノーグや英ロックバンド、ザ・ポーグスのシェイン・マガウアンらが代わる代わるにボーカルをとっている。複数のアーティストが“死は終わりではない”というフレーズを繰り返し歌うこの曲に、劇中で描かれる6名の元殺人犯の心境が重なり、まるで鎮魂歌のようにエンディングを彩る。さらに、この曲が収録されたニック・ケイヴ・アンド・ザ・バッド・シーズのアルバム名は「Murder Ballads」=“殺人者の歌”。歌詞や歌い手、収録アルバム名と、「DEATH IS NOT THE END」と『羊の木』には運命めいたものがあるようだ。

吉田大八監督 コメント

告白すると、この歌が「希望」と「絶望」のどちらを歌っているのか、何度聞いてもわからないのです。その両方かもしれないし、全然違うのかもしれない。そしてそれは、この映画の締めくくりにとてもふさわしいと思えました。
(でもやっぱり気になるので、知っている方がいればこっそり教えて下さい)

『羊の木』
2018年2月3日(土)全国ロードショー
監督:吉田大八
脚本:香川まさひと
原作:「羊の木」(講談社イブニングKC刊)山上たつひこ いがらしみきお
出演:錦戸亮 木村文乃 北村一輝 優香 市川実日子 水澤紳吾 田中泯 松田龍平
配給:アスミック・エース

【ストーリー】 ある寂れた港町“魚深(うおぶか)”にやってきた見知らぬ6人の男女。平凡な市役所職員・月末(つきすえ)は彼らの受け入れを命じられた。受刑者を仮出所させ、過疎化が進む町で受け入れる国家の極秘プロジェクト。月末、町の住人、そして6人にもそれぞれの経歴は知らされなかった。しかし、月末は驚愕の事実を知る。「彼らは全員、元殺人犯」。犯した罪に囚われながら、それぞれ居場所に馴染もうとする6人。素性の知れない彼らの過去を知ってしまった月末。そして、港で発生した死亡事故をきっかけに、月末の同級生・文を巻き込み、町の人々と6人の心が交錯し始める。

© 2018『羊の木』製作委員会 ©山上たつひこ、いがらしみきお/講談社