台湾の新星リウ・シウフーと、人気俳優ツァオ・ヨウニンがW主演を務める心理スリラー『ピアス 刺心』が、12月5日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で公開されることが決定した。
物語は、フェンシングの試合中に対戦相手を刺殺し、少年刑務所に収監された兄ジーハンが、7年の歳月を経て出所する場面から始まる。疎遠になっていた弟ジージエと再会した彼は、「事故だった」と語りながら弟にフェンシングを教え始める。やがて兄弟は再び絆を取り戻していくかに見えたが、幼い日の「なぜ兄はすぐに助けてくれなかったのか」という記憶が蘇り、疑念は次第に深まっていく。
母親から「あなたは利用されている」「あれは殺人よ」と強く警告されるジージエ。信じたい気持ちと、兄の中に潜む暴力性への恐怖の狭間で揺れる彼の前に、悪夢のような事件が再び迫る。愛と疑念、兄弟の対立が極限まで高まり、観客を衝撃的な結末へと導く心理スリラーとなっている。
弟ジージエを演じるのは、台湾の若手実力派リウ・シウフー。兄ジーハン役には『KANO-海の向こうの甲子園』で知られるツァオ・ヨウニンが挑み、傲慢さと脆さを併せ持つ複雑な人物像を体現する。監督・脚本を手がけるのは、短編『Freeze』が世界70以上の映画祭で上映され、長編デビューが待望されていたネリシア・ロウ。シンガポールのフェンシング代表という異色の経歴を持ち、自身の家族関係や台湾で実際に起きた事件から着想を得て本作を完成させた。
撮影監督には『EO イーオー』で世界的評価を得たミハウ・ディメク、サウンドデザインには台湾ニューシネマを支えたドゥ・ドゥーチーが参加し、映像美と音響表現で人間心理の深淵を描き出す。
ポスタービジュアルは鮮烈な赤を背景に、無垢な弟と自信に満ちた兄が突き刺すような視線を投げかけるデザイン。血を滲ませたフェンシングのシルエットが不穏な空気を漂わせる。
特報映像では、再会した兄弟の交流と母親の必死の訴え、そして兄の内に潜む影が次第に露わになっていく緊迫感が描かれる。「僕が死ねばいいと思ってた?」という問いかけが響き渡り、愛と憎悪が交錯する結末を予感させる仕上がりだ。
▼特報
■作品情報
タイトル:『ピアス 刺心』
原題:刺心切骨/英題:Pierce
公開日:2025年12月5日(金) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国ロードショー
出演:リウ・シウフー、ツァオ・ヨウニン、ディン・ニン
監督・脚本:ネリシア・ロウ
撮影監督:ミハウ・ディメク
サウンドデザイン:ドゥ・ドゥーチー、ウー・シュウヤオ
配給:インターフィルム
上映時間:106分
言語:中国語
製作国:シンガポール、台湾、ポーランド
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