寛一郎「元々アイヌの歴史に興味があった」歴史スペクタクル『シサㇺ』今秋公開!

アイヌと和人との歴史を、寛一郎主演で描いた歴史スペクタクル映画『シサㇺ』が、今秋に公開されることが決定した。

アイヌと和人との歴史を描いた人間ドラマである本作。“蝦夷地”と呼ばれた現在の北海道を領有した松前藩が、アイヌとの交易をおこなっていた史実が基になっている。本作は、町全体がイオル(アイヌの伝統的生活空間)という考えの下、アイヌと和人が共生してきたという認識をもつ北海道白糠町で多くの場面が撮影され、セット建設から撮影まで、町からの全面支援・協力のもと製作されている。

主演は『菊とギロチン』でキネマ旬報ベスト・テン新人俳優賞に輝き、阪本順治監督の『せかいのおきく』や北野武監督の『首』などの話題作に次々と出演し、著名な映画監督からの信頼も厚い寛一郎。蝦夷地に赴き、異なる文化や風習に触れることで、アイヌの持つ精神や理念に共鳴していく武家の若者を演じている。

脚本を手掛けたのは、阿部寛主演の「結婚できない男」や朝ドラ「梅ちゃん先生」など、大ヒットドラマを手掛けてきた尾崎将也。本作では日本語とアイヌ語の台詞を混在させながら、現代社会における“不寛容”が暴力へと繋がっていくプロセスを丁寧に紡ぎ出している。監督は「タイムスクープハンター」や小説「ブルバスター」がアニメ化されるなど、多岐にわたる分野で活躍している中尾浩之。映画監督作品は『劇場版 タイムスクープハンター-安土城最後の1日-』以来約10年ぶりとなるが、北海道の大自然を活かしたダイナミズムな演出によって、作品に重厚なトーンを生み出している。

北海道の大自然をバックに、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者が異なる文化や風習に触れ、それらを理解することによって己の人生を見つめ直していく。過去の歴史を描いた作品でありながら、現代に通じる社会問題を訴求させ、今の時代に観るべき感動の一大叙事詩が誕生した。

▼キャスト&スタッフ コメント

■寛一郎(主演)
元々アイヌの歴史に興味があったので、オファーをいただけて嬉しかったです。一月半ほど白糠町にお世話になりましたが、食べ物も気候も素晴らしく、町の皆さんにもたくさん協力をしていただいたことで映画が完成したと思っています。僕は和人の役でしたが、役を通して、アイヌという文化をたくさん見れた気がします。アイヌの文化にここまで着目して描いている作品は多くはないと思いますし、時代劇でありエンタテインメント作品になっています。多くの方に楽しんでいだだけければ幸いです。

■中尾浩之(監督)
最初に本作のオファーを受け脚本を拝読した時、これは大変な仕事になるだろうと不安を覚えた記憶があります。まずご挨拶をかねて白糠町に伺い、皆さんの思いや大自然に触れさせていただきました。たちまち私の心は奪われ、シラヌカの魅力にどんどん引き込まれていきました。硬くなっていた私の心にしなやかな風が吹き抜けたのです。その時の感覚を大切にしながら演出にのぞむことにしました。目指したのはやわらかな風のような映画です。寛一郎さんはそのしなやかさを見事に表現してくれました。予想を遥かに超えたところへ映画を引きあげてくれました。類稀な才能に出会えたことに幸せを感じております。ぜひ劇場に足を運んで身を委ねてください。心に風が吹き抜けますように。

■尾崎将也(脚本)
アイヌのことを何も知らないところからのスタートでしたが、「とにかく飛び込んでみよう」と思ったところから色々なことが動き初め、多くの方のご尽力があり、一本の映画ができました。思ったよりもずっと大変な作業でした。脚本を直した回数はこれまでの自分が経験した中で最多となりました。しかし関係者の中には僕よりも大変な思いをした人がいたことでしょう。感謝しかありません。

『シサㇺ』
2024年秋 全国公開
監督:中尾浩之 
脚本:尾崎将也
出演:寛一郎

【ストーリー】 江戸時代前期。北海道の南西部にある松前藩はアイヌとの交易品を主な収入源としていた。松前藩藩士の息子、孝二郎(寛一郎)は兄、栄之助とともにアイヌとの交易で得た品を他藩に売る仕事をしていたが、ある夜、使用人の善助の不審な行動を見つけた栄之助は善助に殺されてしまう。兄の敵討ちを誓った考二郎は善助を追って蝦夷地へと向かう。

©映画「シサム」製作委員会