「背骨の写真を撮らせてほしい」コールガールについた奇妙な客の目的とは?SFホラー『NEW RELIGION』

Keishi Kondo監督が瀬戸かほ主演で描くSFホラー『NEW RELIGION』が2023年に公開される。このほど、2022年度のロンドン・フライトフェスト映画祭でのワールドプレミア上映が決定し、併せて海外映画祭ポスタービジュアルと緊急ティザービジュアル、瀬戸かほとKeishi Kondo監督の上映決定記念コメントがお披露目となった。

幼い娘を亡くした母親である主人公が謎めいた写真家に出会う物語を通じて、個人の喪失と記憶が引き寄せる社会の崩壊を描き出した映画『NEW RELIGION』。愛知県・名古屋で活躍するクリエイターたちが各々のクリエイティビティを全力でもって発揮した本作は、未だかつてない想像を絶する映画であり“アブストラクト・SFホラー”という独自ジャンルを名乗るにふさわしい作品となっている。

主人公・雅を演じたのは、『クレマチスの窓辺』『この日々が凪いだら』など主演作が2022年に入り立て続けに公開されている瀬戸かほ。 そのほか気鋭の音楽ユニット「BBBBBBB」の西園寺流星群、元「ブランキージェットシティ」中村達也の長女であり自身もバンド、DJ、タトゥーアーティストとして活躍するナカムラルビイ、カブキカフェナゴヤ座で主に活躍中の俳優の永田祐己、サカナクションやSMAPなどのMV作品や『嫌われ松子の一生』の振付師として有名な舞踏家・浅井信好など、個性的なキャストが顔を連ねている。

▼上映決定記念コメント

■瀬戸かほ(雅役)
平日は東京で生活し、週末名古屋へ撮影をしに行くという日々だったのですが、自分が2人いるような不思議な感覚を抱きながら過ごしました。初めて母親役を演じることに対して嬉しさ、不安、緊張もありましたが、試行錯誤を重ねていく中で自分なりの答えを見つけることができたと思っています。ひとりでも多くの方に届くことを願っています。

■Keishi Kondo(製作・脚本・監督)
現在と比較し平穏だった2018年に始まり、コロナ禍の只中に撮影され、戦争と無軌道な暴力の時代に世に放たれる映画『NEW RELIGION』。製作中断をはじめ数々のトラブルに見舞われながら上映の機会を得る事ができました。作中描かれる破壊/死/空虚/愛が観客ひとりひとりのこころによって様々な意味や物語に枝分かれしていく。そんな映画を目指して作りました。あなたの中に、あなただけの『NEW RELIGION』が誕生するのを願っています。

『NEW RELIGION』
2023年公開
製作・脚本・監督 : Keishi Kondo
出演:瀬戸かほ 西園寺流星群 岡諭史 沼波大樹 ナカムラルビイ 永田祐己 水田黒恵 中本華愛 浅井信好

【ストーリー】 娘・あおいを事故で亡くしたのを契機に、離婚した過去を持つ雅。現在は新たな恋人と同棲する彼女は、コールガールとして働きながら日々を過ごしている。雅はある日、「《背骨》の写真を撮らせてほしい」と頼む奇妙な客・岡と出会う。岡の言うがままに写真を撮らせる雅だったが、彼は次に《足》の写真を要求する。以来、岡に《身体の部位》の写真を撮られるようになった雅。やがて彼女は、足を小さな手に撫でられる感覚に襲われ、それが死んだ娘のものだと直感する。ひとつの部位を撮影されるたびに、そこで娘の霊を知覚できるようになる。そう気づいた雅に残されていた最後の部位は、《目》だった。《雅》という個人の喪失の物語は、やがて社会の崩壊へと連なっていく……。

©SHM FILMS