『チェイサー』、『哭声/コクソン』でその名を轟かせた、韓国映画界が誇る気鋭ナ・ホンジンが原案・プロデュースした『女神の継承』が、7月29日より公開される。このほど、本作の特報映像と場面写真がお披露目となった。
本作は、カンヌ国際映画祭に出品され、世界中の度肝を抜いた『哭声/コクソン』の続編として、ファン・ジョンミン(『ただ悪より救いたまえ』、『ベテラン』)が怪演した祈祷師・イルグァンの物語をナ・ホンジンが思いついたことから、企画がスタート。その構想はタイの祈祷師をモチーフに、本作へと受け継がれ、『哭声/コクソン』のアナザー・バージョンとも言える衝撃作が完成した。タイ東北部イサーン地方を舞台にした本作は、深い森や神秘的な洞窟、エキゾチックな儀式を余すところなくカメラに収め、観る者を社会の常識が通用しない戦慄の秘境へと招き入れていく…。
特報映像は、「この地方にはたくさんの精霊がいる。いい精霊もいれば悪霊もいる」という祈祷師ニムの印象的な語りから始まる。深い森の中にある神秘的な洞窟で行われる祭祀の儀式をカメラは収めるが、その神聖な雰囲気から一転して、映像は先祖代々続く祈祷師の一族に生まれた美しい娘ミンが、「呪術とか信じてないよ、バカみたい、笑っちゃう」と言い放ち、クラブで踊ったりと普通の若い女性らしく遊ぶエネルギッシュな一面を映し出す。しかし叔母のニムが、ミンの異変を感じ、彼女の母親に「娘の様子がおかしい」と忠告すると、さらに映像は切り替わり顔面蒼白な涙目で、助けを求めるような、それでいて邪悪さを含む表現しがたい表情でこちらを見つめるミンの姿で幕を閉じる。
場面写真には、不気味に浮かびあがるミンのシルエットや、祈祷師のニムが雨の中で祈りを捧げる様子を遠くから見つめる何者かを収めたショット、森の中でひっそりとだが異様な存在感を放つ女神の像のカット、そしてどこか不穏な雰囲気に包まれたタイ東北部のイサーン地方の景色が切り取られている。
『女神の継承』
2022年7月29日(金)より、シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷、グランドシネマサンシャイン池袋、UPLINK吉祥寺ほか、2022年8月12日(金)より、丸の内ピカデリーほか全国順次公開
監督:バンジョン・ピサンタナクーン
原案・プロデュース:ナ・ホンジン
出演:サワニー・ウトーンマ ナリルヤ・グルモンコルペチ シラニ・ヤンキッティカン
配給:シンカ
【ストーリー】 小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返す。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないか…。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている何者かの正体は、ニムの想像をはるかに超えるほど強大な存在だった…。
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