2021年カンヌ国際映画祭「ある視点部門」に正式出品された映画『La Traviata Mes frères et moi(原題)』が、邦題『母へ捧げる僕たちのアリア』として6月に公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
本作は、4兄弟の絆、母への尽きせぬ愛、夢を信じ一歩を踏み出そうとする少年の勇気を、オペラの名曲と共に瑞々しく描いた感動作。長編初監督となるヨアン・マンカが自身の自伝的な要素を盛り込み詩情溢れる映像で映し出し、2021 年のカンヌ国際映画祭「ある視点」で上映され話題となった。
主人公ヌールを演じるのは、子役として活動していたマエル・ルーアン=ベランドゥ。彼はオーディションで選ばれ、ソプラノ歌手ドミニク・モアティによる指導のもと、劇中で歌声を開花させていく過程が本作にさらなるリアリティを与える。そのほか、長男アベル役には、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』で殺し屋・プリモを演じたダリ・ベンサーラ、ヌールを世界に連れ出すサラ役には、『女の一生』などでセザール賞にノミネートされた実力派女優ジュディット・シュムラが扮する。
“縁のなかった芸術との出会い”の奇跡を描いた本作は、「人知れぬ涙」にはじまり、パヴァロッティの「誰も寝てはならぬ」、カラスの「カルメン」など、数々の名曲が物語を各所で彩る中、厳しい現実をリアルに映しながらも、清々しさと希望を差し込ませた感動作となっている。
『母へ捧げる僕たちのアリア』
2022年6月より、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ヨアン・マンカ
出演:マエル・ルーアン=ブランドゥ ジュディット・シュムラ ダリ・ベンサーラ ソフィアン・カメス モンセフ・ファルファー
配給:ハーク
【ストーリー】 南仏の海沿いの町の古ぼけた公営団地で、兄3人と暮らす14歳のヌール(マエル・ルーアン=ベランドゥ)。重篤で昏睡状態の母を兄弟4人で自宅介護する生活は苦しく、まだ中学生ながら夏休みは兄の手足となって働き、命じられるままバイト三昧の日々を送っている。そんなヌールの欠かせない日課は、毎夕、母の部屋の前までスピーカーを引っ張っていき、母が大好きなオペラを聴かせてあげること。そんなある日、教育矯正の一環で校内清掃中だったヌールは、そこで歌の夏期レッスンをしていた講師サラ(ジュディット・シュムラ)に呼び止められ、歌うことに魅せられていくのだが…。
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