宮沢氷魚「物語が自分の中にスーッと浸透」小松菜奈の恋人役で出演!『ムーンライト・シャドウ』特報映像&ティザービジュアル

1989年に刊行された吉本ばななによる名作「キッチン」に収録される同名短編小説を、エドモンド・ヨウ監督が小松菜奈主演で映画化する『ムーンライト・シャドウ』が、9月に公開される。このほど、小松演じるさつきの恋人役で宮沢氷魚が出演することが発表され、併せて、特報映像、ティザービジュアル、場面写真がお披露目となった。

本作は、突然訪れる恋人の死をなかなか受け入れることができない、主人公・さつきの一人称の視点で描かれる「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。

さつき(小松菜奈)の恋人・等役を演じるのは宮沢氷魚。「MEN’S NON-NO」専属モデルとして活躍する傍ら、2017年にドラマ「コウノドリ」で俳優デビュー。その後数々の話題作に出演し、初主演映画『his』では、2020年にTAMA映画賞最優秀新進男優賞、報知映画賞新人賞、ヨコハマ映画祭最優秀新人賞、2021年に日本映画批評家大賞新人男優賞(南俊子賞)を受賞。さらに、新型コロナウイルスの影響による上演終了から見事な復活劇を遂げた、渡辺謙主演舞台「ピサロ」ではインカ王アタウアルパを熱演、2022年前期のNHK連続テレビ小説「ちむどんどん」への出演も控えるなど、次世代を担う、日本を代表する俳優へと着実に進化を続ける俳優だ。等は、全てを包み込むような優しさを持つ一方、ふといつのまにか、その場からいなくなってしまうような儚さがどこか漂う役柄。等のその優しさと雰囲気にさつきは惹かれ、二人は恋人として幸せな時間を過ごしていくが、等は突然帰らぬ人に。宮沢自身は「等と近しいものがあると感じた」とも語り、その爽やかなルックスと圧倒的な透明感で難しい役どころを見事に演じ切る。

特報映像は、原作者・吉本ばななの「今の時代に映画になるべくしてなった作品だと思います。」というコメントから幕を開け、“鈴”の音が静かに聞こえる。“鈴”は、原作「ムーンライト・シャドウ」でも描かれる、主人公・さつきとその恋人・等をつなぐキーアイテムだ。「鈴の音が耳を離れないんです」と続くさつきのナレーションに、エドモンド・ヨウ監督の原作への尊敬と愛情がうかがえる。どこか神秘的な映像とともに流れていく、さつきと等の笑顔あふれる幸せそうな時間は、恋人同士の何気ない日常の瞬間を切り取り、柔らかくあたたかい雰囲気を醸し出す。そして「もっと一緒にいたかったな」というさつきのナレーションと、クローズアップされる名残り惜しそうに離れる二人の手が、先々訪れる等との別れを予感させる。さつきは、愛する人を失ったその深い悲しみや喪失感をいかにして乗り越えていくのだろうか?

ティザービジュアルには、陽の光が差し込んだ秋らしい背景の中で微笑むさつきの姿が収められる。穏やかでどこか朗らかさを感じさせる表情は、吉本ばななの描く作品のように触れた者をスッと引き込み、力強ささえ感じさせる。そしてそれとは対照的に慎ましく、まるでさつきの日記に綴られているかのような、「この恋に名前をつけて、そっと胸にしまってある。」というキャッチコピーが添えられる。

場面写真には、さつきと等の幸せそうなカットのほか、夕闇の中でまっすぐな視線を送るさつき、少し憂いのある等の姿などが捉えられ、作品の映像美も感じることができる。

■宮沢氷魚(等役) コメント
最初に台本をいただいて読んだ時に、自分自身と等に近しいものがあるように感じ、物語が自分の中にスーッと浸透していく気持ち良さがありました。等の苦悩や悩みもすごく共感できましたが、等に訪れる死というものは忘れて、一つ一つのシーンや瞬間を、等として一生懸命生きるという考え方で撮影に臨みました。エドモンド監督は、ずっと笑顔でとにかく役者のことを第一に考え、すごく演じやすくチャレンジしやすい環境を準備してくれたので本当に感謝しています。そういった環境で自由にやらせていただいたからこそ、「こうしたら面白いんじゃないか」というひらめきもあった現場でした。主人公のさつきは、個性的で自分の意志をしっかりと持っている女性なので、演じるのは独特の空気感を放つ小松さんしかいないと思いました。『ムーンライト・シャドウ』という作品を背負って主人公のさつきになった小松さんがしっかりと先頭にいたので、現場のチーム力も高まっていき、小松さんにもすごく感謝しています。『ムーンライト・シャドウ』は、いろいろ考える、思うきっかけを与えてくれる、本当に素晴らしい作品になっていると思います。この作品が皆さんのもとへ届くことを楽しみにしていますし、皆さんが少しでも笑顔になってくれることを願って僕たちもがんばりました。吉本ばななさんの原作のように、日本だけでなく世界から愛される作品になったらいいなと思います。ぜひ楽しみにしていてください。

『ムーンライト・シャドウ』
9月 全国公開
監督:エドモンド・ヨウ
原作:吉本ばなな「ムーンライト・シャドウ」
脚本:高橋知由
出演:小松菜奈 宮沢氷魚
配給:SDP エレファントハウス

【ストーリー】 恋人の突然の死に向き合うことができず、深い哀しみに打ちひしがれるさつき(小松菜奈)は、以前耳にした“月影現象”に次第に導かれていく。それは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった…。

©2021 映画『ムーンライト・シャドウ』製作委員会