宮沢氷魚の透明感に松本若菜&監督が驚き「手の指先が真っ赤。嫉妬しちゃう」「キスシーンでも耳がめちゃくちゃ赤くなって!」

宮沢氷魚が映画初主演を務め、共演に藤原季節を迎えた、『愛がなんだ』の今泉力哉監督最新作『his』が、1月24日に公開初日を迎えた。それを記念して、1月25日にTOHOシネマズ 日本橋にて公開記念舞台挨拶が行われ、キャストの宮沢氷魚、藤原季節、松本若菜、外村紗玖良、今泉力哉監督が登壇した。

本作では、同性愛者であることを隠して生きる主人公・迅を演じた宮沢。初主演映画ということもあり、「プレッシャーも感じましたし、LGBTQを題材にすると聞いて、センシティブなテーマでもありますので、向き合っていけるのかな」と感じていたそうだが、「幼稚園から高校まで男子校にいて、周りにも同性愛者の友達がいたので、少しでも生きやすい世界を作りたいなと思っていた」と言い、本作への出演を「喜びのほうが大きかったです」と振り返った。

また、上映後の観客からの大きな拍手を聞き、「率直に嬉しい」と笑顔を見せつつ、「いろんな感じ方があって、『すごく良かった』と思う人もいれば、もしかしたら『自分は違うな』と思う人もいるかもしれません」とコメント。「感じた自分に正直になってくれればいいと思います」と観客へ想いを伝えた。

迅の元恋人・渚を演じた藤原は、渚の娘・空を演じた子役の外村に撮影で助けられたと言い、「キーホルダーも作ってくれた」ようで、「ありがとう。これからもよろしく」と二人が握手を交わす場面も。宮沢との共演については、「個人的には宮沢氷魚くんに感謝という気持ちでいっぱい」と語り、「自分が物事をこねくり回して考えてしまうタイプ」であるため、「氷魚くんのストレートさに助けられた」とのこと。「僕も氷魚くんも、迅と渚に似てる部分があると思う。渚の行動の裏に隠れた臆病さ、弱さみたいなものを、迅が光で照らしてくれた」と言い、「撮影が終わってからも、二人で『his』に向き合ってきたこの1年間も変わらなくて、それはすごく感謝しています」とこれまでの想いを伝え、宮沢は「嬉しいです」と照れたような笑みを見せた。

撮影は岐阜県白川町の寒い時期に行われ、渚の妻・玲奈を演じた松本は、「撮影しながら思ったのが、氷魚くんって透き通るような白いお肌じゃないですか。髪も茶色いし、その中でも手の指先が真っ赤だったんですよ。その真っ赤なところが女性から見たら嫉妬しちゃうというか(笑)。魅力的に思えました」と宮沢との印象的なエピソードを披露。続けて、今泉監督も「最初のキスシーンでも氷魚さんの耳がめちゃくちゃ赤くなってて!先端が赤くなるところがいっぱい映っている映画かもしれないです(笑)」と明かしていた。

最後に宮沢が、「僕たちは大量の愛をもってこの作品に挑んで作っていったつもりです。これが一人でも多くの方に届いて、一人でも多くの人が何かを感じとって自分に正直になってくれればいいなと思っています」と客席へ呼びかけ、イベントを締めくくった。

『his』
1月24日(金)より、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー中
監督:今泉力哉
企画・脚本:アサダアツシ
音楽:渡邊崇
主題歌:Sano ibuki「マリアロード」
出演:宮沢氷魚 藤原季節 松本若菜 松本穂香 外村紗玖良 中村久美 鈴木慶一 根岸季衣 堀部圭亮 戸田恵子
配給:ファントム・フィルム

【ストーリー】 井川迅(宮沢氷魚)は周囲にゲイだと知られることを恐れ、ひっそりと一人で田舎暮らしを送っていた。そこに、6歳の娘・空を連れて、元恋人の日比野渚(藤原季節)が突然現れる。「しばらくの間、居候させて欲しい」と言う渚に戸惑いを隠せない迅だったが、いつしか空も懐き、周囲の人々も3人を受け入れていく。そんな中、渚は妻・玲奈(松本若菜)との間で離婚と親権の協議をしていることを迅に打ち明ける。ある日、玲奈が空を東京に連れて戻してしまう。落ち込む渚に対して、迅は「渚と空ちゃんと3人で一緒に生きていたい」と気持ちを伝える。しかし、離婚調停が進んでいく中で、迅たちは、玲奈の弁護士や裁判から心ない言葉を浴びせられ、自分たちを取り巻く環境に改めて向き合うことになっていく…。

©2020 映画「his」製作委員会