谷川俊太郎「無音の笑いが途切れない」、町田康「善も悪も、すべてが美しかった」著名人絶賛!池田暁監督作『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』

ロッテルダム、バンクーバー国際映画祭などで受賞を重ねてきた、『山守クリップ工場の辺り』、『うろんなところ』の池田暁監督最新作で、第21回東京フィルメックスで日本人監督作品では初となる審査員特別賞を受賞した『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』が、3月26日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられ、併せて、吉田戦車、ドリヤス工場、信濃八太郎による描き下ろしイラストがお披露目となった。

いつの時代でもない、ある町。この町は何十年も向こう岸の太原町と目的も分からず戦争をしている。毎日、朝9時から夕方5時までが戦争の時間だ。ある日、町で兵隊として暮らす露木は向こう岸から聴こえてきた音楽に心惹かれていく。そんな中、新しい兵器と部隊がやってくるという噂が広がり、露木や町の人々の生活も変化していく…。

▼著名人 絶賛コメント

■谷川俊太郎(詩人)
微笑でも苦笑でも哄笑でもない無音の笑いが途切れない。意味に囚われない人間存在の面白さ。      

■宮沢章夫(劇作家・演出家・作家)
ここにある笑いは、おこがましいが別役実や私が書く作品の質にも似ているが、きわめて映画的に美しく描かれるとき、それは小津安二郎にも見える。けれど、というか、だからこそ、きわめて不気味な人間たちの住む世界のグロテスクな笑いになる。新しい毒をもった喜劇だ。

■根岸吉太郎(映画監督)
空前絶後、監督独自の世界が映画を埋め尽くしている。ああ、この映画をカウリスマキに観せたい。テリー・ギリアムに観せたい。

■瀧川鯉八(落語家)
落語で例えるなら、四代目春風亭柳好師匠の“道具屋”。背筋が凍るほどの才能。得体の知れない面白さ。

■トニー・レインズ(映画評論家)
池田暁の作品は現代の日本映画の中でもユニークで、とてもスペシャルだ。科学的ともいえる精密さで、たどたどしいトランペットの音色の中に、笑いと痛みの中間点を見つけ出す。

■森直人(映画評論家)
今の日本映画のエアポケットに、いきなり凄いものが飛んできた!知らない場所や人間のリアルを想像すること。自分の頭と心で考えること。この映画は全世界に必要な一本だ。

■町田康(小説家)
善も悪も、すべてが美しかった。言葉と景色に魅了された。この戦争は俺らの心のなかにある。この映画を観てよかった。         

■倉本美津留(お笑い作家)
テッテ的な反戦映画誕生。おかしな世界をツッコミモードで観ている内にジワジワと現実世界の今とシンクロしていることに気づきゾッとする。そんな稀有で効果的な反戦映画。

■山下敦弘(映画監督)
静かに過激によく作り込んでるなと感心しました。日本にはまだまだ面白い顔の俳優さんがいっぱいいるということも気づかされました。ぼんやりしている今の自分にチクチク刺さる映画でした。

■久米宏
僕は子供の頃から映画が大好きだった。撮影現場で働く人たちを想像したり、編集作業を考えると映画はもっと楽しくなった。この作品の現場は盛り上がったに違いない。出来上がった作品には、スタッフの笑顔が隠れている。見終わると、毎日の自分の暮らしがふと不安になる。そして、歩き方もおかしくなる。

■ジュリアン・ロス(ロッテルダム国際映画祭プログラマー)
人々が目的も知らずにルールを守る世界において、社会を風刺するなら戦争を舞台にするのが最適だ。ポーカーフェイスで放たれるユーモアが、ドキュメンタリーよりも真実味を感じさせる。

■辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
融通がきかない不器用な人々への慈愛の情が芽生え、繰り返される会話や音楽が次第に病みつきに…。この世界観が不思議と心地よいのは、日本人に多いまじめなA型だからでしょうか。    

■井上荒野(小説家)
世界観に戸惑いながらいつしか癖になっている。現代日本に生きている私たちにとって、押されると痛いツボが映画の隅々にひそんでいる。

■吉田戦車(漫画家)
この夢のような町で 働いて ご飯を食べて眠る毎日をくりかえしたい(でも戦争は嫌)。

■ドリヤス工場(漫画家)
一見奇妙で、趣味的な映像に見えるかもしれない。だが次第にこれは多くの日本人にとって「よく見た風景」であることに気付くでしょう。

■信濃八太郎(イラストレーター)
ユーモアのわからない人間が戦争を始めるという言葉がある。ユーモアなき世界をユーモアたっぷりに描いたこの作品は、つまり今こそ必要だ。

『きまじめ楽隊のぼんやり戦争』
3月26日(金)より、テアトル新宿ほか全国順次ロードショー
監督・脚本・編集・絵:池田暁
出演:前原滉 今野浩喜 中島広稀 清水尚弥 橋本マナミ 矢部太郎 片桐はいり 嶋田久作 きたろう 竹中直人 石橋蓮司
配給:ビターズ・エンド

【ストーリー】 町境である一本の川を挟んで「朝9時から夕方5時まで」規則正しく戦争をしている二つの町。川の向こうの太原町をよく知るひとはいない。だけど、とてもコワイらしい。そんな津平町に暮らす真面目な兵隊・露木(前原滉)がある日突然言い渡されたのは、音楽隊への人事異動!?明日からどこへ出勤すればいいのやら…。そんな中、偶然出会った向こう岸の音楽に、露木は少しずつ心を惹かれていく。一方、町では「新部隊と新兵器がやってくる」噂が広がっていて…。

©2020「きまじめ楽隊のぼんやり戦争」フィルムプロジェクト