1967年の“伝説の学生運動”を3時間20分に圧縮!あの“異常に発熱した時代”は何だったのか?『きみが死んだあとで』予告編

1967年の「第一次羽田闘争」において18歳で死んだ山﨑博昭を取り巻く人々を中心に、あの時代の“青春と悔い”を描いたドキュメンタリー『きみが死んだあとで』が、4月に公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

1967年10月8日。佐藤栄作内閣総理大臣(当時)の南ベトナム訪問阻止を図った「三派全学連」を主体とする第一次羽田闘争は、その後過激化する学生運動の端緒となった。そのなかで一人の若者が殺された。山﨑博昭、18歳。機動隊に頭部を乱打されたためか、装甲車に轢かれたためか、死因は諸説あるが、彼の死は同世代の若者に大きな衝撃を与えた。あれから約半世紀。亡くなった山﨑博昭の高校の同級生たちや当時の運動の中心だった者たちは齢を重ね、山﨑だけが18歳のまま。生き残った総勢14人が語り継ぐのは美しく輝く青春とその後の悔恨。闘争の勢いとその衰退も振り返りながら、さまざまな記憶と感情が交錯する。青春だけが武器だった、あの“異常に発熱した時代”は何だったのか。「きみの死」はまだ終わっておらず、半世紀を経てもなお、その宿題はまだ続いている。

上・下巻合わせて3時間20分の大長編にまとめきった代島治彦監督は、『三里塚に生きる』『三里塚のイカロス』に続いて“異常に発熱した時代”に3度組み合った。インタビュー中心のストイックな構成は、“歴史と記憶のはざま”を浮き彫りにし、大友良英が作曲したフリージャズをベースにしたアナーキーな主題曲が重なり、時代の狂気と美しい記憶が混然一体となって押し寄せてくる。代島も大友も学生運動が熱を失った後の「しらけ世代」。権力と闘い、革命を叫んだ「全共闘世代」への愛憎を忍ばせながら、彼らの歴史的功罪を問う重厚なドキュメンタリーが誕生した。

『きみが死んだあとで』
4月 ユーロスペースほか全国順次公開
監督・製作・編集:代島治彦
音楽:大友良英
写真:金山敏昭 北井一夫 渡辺眸
配給:ノンデライコ