“人生相談の名手”ことジェーン・スーの同名エッセイを、吉田羊と國村隼のダブル主演でドラマ化する「生きるとか死ぬとか父親とか」が、4月9日よりテレビ東京にて放送されることが決定した。
原作は、ラジオパーソナリティー・コラムニスト・作詞家と多彩な顔をもち、女性からの圧倒的な支持を集める“独身のカリスマ”ことジェーン・スーが、自身の家族の出来事と思い出を描いたリアルストーリー。
主人公・蒲原トキコは20年前に母を亡くし、今では父の蒲原哲也がたった一人の肉親。愛嬌はあるが破天荒な70代の父、独身で勝気な40半ばの娘。ひとたび顔を合わせればギクシャクし一度は絶縁寸前までいった二人だが、今では時々外食しながら話をする関係である。そんなある日、トキコは父についてのエッセイを連載することになった。ネタ集めのため父に会うたびいろいろな家族の思い出を聞く。しかしそれは楽しい記憶ばかりではない。母との出会い、全財産の喪失、そして他の女性の影…。本作は、父への愛憎と家族の表裏を描く、普遍にして特別な家族の物語。
今作の見どころとして、主人公がパーソナリティーを務めるラジオ番組の「お悩み相談のコーナー」がある。ジェーン・スー自身もラジオ番組でのお悩み相談コーナーが大人気であり、まさに“人生相談の名手”だが、今作のラジオシーンのセリフはすべてジェーン・スーによる監修のもと制作される。夫婦関係や友人関係、SNS社会や見た目の悩みまで、様々なお悩みをキレ味のよい言葉でスパッと解決していく。
劇中での人気ラジオ番組「トッキーとひと時」でパーソナリティーを務めるトッキーさんこと、娘 ・蒲原トキコ役を演じるのは、『コールドケース 』シリーズ、『まだ結婚できない男 』、『恋する母たち 』、映画『七つの会議』、『記憶にございません!』など、ジャンルを問わず、多彩な演技で話題の実力派女優・吉田羊。そして、昔は破天荒な人生を歩み、今ではすっかり丸くなったが、どこか自由奔放な愛嬌のある父親・蒲原哲也役に、『さまよう刃』、『全裸監督2』、映画『騙し絵の牙』、『MINAMATA(原題)』、『KATE(原題)』など、数多くの海外作品にも出演する名優・國村隼が扮する。
監督は、『溺れるナイフ』、『21世紀の女の子』、『ホットギミック ガールミーツボーイ』と多くの映画作品を手掛け、今回、連続ドラマでは初監督となる山戸結希が務める。
▼スタッフ&キャスト コメント
■吉田羊(蒲原トキコ役)
言葉豊かで聡明なジェーン・スーさんを、私のようなものが演じさせて頂いていいものかと正直尻込みしました。けれど、読ませて頂いた原作と脚本がとても素敵で、何より、スーさんとお父様がとっても可愛くて、この親子の魅力を、私を通じて皆さまにお伝え出来たらと、願うような気持ちでお引き受け致しました。お父さん役の國村さんとは、9年ぶりの共演です。穏やかで軽やかで、よく通る口笛を吹きながら現場入りされ、関西人ならではの話術でおもしろ話をいつも聴かせてくださいます。尻尾を掴ませない飄々とした佇まいは、どこか今回の「お父さん」にも通じていて、「してやられた!」と最後は笑って許してしまう、そんな人間力をお持ちの方です。不思議なもので、親子を演じていると似てきて、同じタイミングで空を見上げたり、ため息をついたり、口元を拭ったり…今回、密度の濃い撮影のため、日一日と互いの円が重なっていくのが面白いです。その重なりを求めたスーさんの思いを、我々親子が演じることで素敵に表現出来たらいいなと願っています。私自身も、4年前に母を亡くしています。反発ばかりでしたが、それが母の愛を求める裏返しだったと気付いたのは母が亡くなる直前のこと。もっとこうすれば良かったという後悔は未だに沢山。と同時に、健在の父に対しては、そんな思いはしたくないという決意のようなものは、スーさんと同じかなと思います。なので、トキコを演じながらも、私自身の人生を生きている感覚。スーさんは書くことで、私は演じることで、皆さんは視ることで、それぞれの家族と向き合い、何かしらのヒントが見つかれば幸いです。家族、友人、恋人、仕事…日々私たちを悩ませるあれこれに響くスーさんの正直で的確な言葉たちに、そしてこの親子の「小さな一大事」に、ぜひ会いに来てください。ふっと心が軽くなりますよ。どうぞお楽しみに。
■國村隼(蒲原哲也役)
企画を拝見して、まさに今を捉えた内容だと思いました。“家族”のかたちも様々になり、昔のように二十何歳かで娘は嫁にいき、また親は息子やその嫁と同居なんてちょっとしたファンタジーになりつつあります。ジェーン・スーさんの原作は親の世代も子供の世代もそれぞれの暮らしやすさを追い求めながら、またそれゆえの衝突もあり、少しの苦みとゆるやかな愉しみのなかで人生は過ぎて行く、そんな面白さをまざまざと描き出していきます。共演する吉田羊さんは、軽やかに過酷な現場を楽しんでおられて、私もそのおすそ分けを頂いている気分になってしまいます。台本を読みながら、そして演じながら、したいことはするしかない。しかしそのしっぺ返しは甘んじて受けるんだぞ。肝(はら)は括っておくもんだ。という人生の教訓・三カ条を頂いたと思っております。そんな訳で、私にとってこの父親役は十年ほど先の年齢になりますが、今のうちに、自分自身がどんな齢の重ね方をしたいのか?と、考えてみるきっかけにもなりました。ま、そうそう答えは出ませんけれど。ドラマをご覧頂いた皆様のご感想をお聞かせください。大人になってからの親子の物語、ほんわか甘苦いです。
■ジェーン・スー(原作)
父と私の、ごく私的な日常が映像になるなんて!父にとっても私にとっても、身に余る光栄です。ドラマ化にあたり、創作していただいたフィクション部分も大変気に入っています。そして、まさか吉田羊さんにジェーン・スーを演じていただけるとは。「ジェーン・スーを美しく修正すると吉田羊さんになる」と友人から言われたことがあり、恐縮ながら嬉しい気持ちでいっぱいです。國村隼さんに父を演じていただけること、天国の母も喜んでいると思います。大人になり、親との関係の紡ぎなおしを考え始めたみなさんに楽しんでいただけたら光栄です。
■山戸結希(監督・シリーズ構成)
勇気と優しさに満ちたジェーン・スーさんの素晴らしい原作エッセイを、名作を生み出してきた「ドラマ24」にてお届けできることを光栄に思います。日々、繊細な手仕事に向き合う現場のスタッフさん、3〜8話を監督される、聡明であたたかなまなざしを宿す菊地さん、数年前から議論を重ね、この場所に導いてくださった佐久間さん、全12話にわたって、血と実感を通わせてくださった脚本の井土さん、そして一刻一刻と輝きを重ねる俳優部の皆さん、どの方が欠けても、このドラマシリーズではあり得なかったように、沢山の方々の力を電波に乗せ、お届けできることを願います。「より正しく生きたい」と望みながらも、間違ってしまうことこそが、人間の本性である…そのことを、何度でも思い出しながら撮れたならと。
「生きるとか死ぬとか父親とか」
4月9日(金)深夜0時12分~テレビ東京系にて放送
監督・シリーズ構成:山戸結希
監督:菊地健雄
原作:ジェーン・スー「生きるとか死ぬとか父親とか」
脚本:井土紀州
出演:吉田羊 國村隼
©「生きるとか死ぬとか父親とか」製作委員会