「先生、私の人生もいつか輝くでしょうか」様々な感情を抱く思春期少女の成長『はちどり』予告編

誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いたキム・ボラ監督作『はちどり』が、4月25日より公開される。このほど、本作の予告編がお披露目となった。

1990年代の韓国。14歳の少女ウニは、何百もの世帯が暮らす集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う…。

予告編は、ウニ(パク・ジフ)が通う漢文塾の女性教師であり、憧れの大人の女性・ヨンジによる「知っている中で本心まで知っているのは、何人?」という問いかけから始まる。全てが気だるく眠気しか起こらない、いつまで経っても馴染むことのできない学校の授業、兄の受験の事ばかりでウニに関心がない家族。ただ過ぎていく単調な日々の中、暇に任せてノートに落書きをしていると「私も漫画が好き」とヨンジ先生だけが私の存在に気づき、気にかけてくれた。これまで明かすことのなかった自分の胸の内を、ヨンジ先生だけに少しずつ明かしていくウニ。友人との言い争い、淡い恋愛、わけもなく叫びたくなるような、どうしようもない苛立ち。“世界”となかなか折り合いのつかないウニにヨンジ先生は「自分を好きになるには時間が必要だわ」「誰かと出会い 何かを分かち合う」「世界は不思議で美しい」と静かに語りかける。14歳ウニの珠玉の日常が詰まった映像となっている。

『はちどり』
4月25日(土)より、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本:キム・ボラ
出演:パク・ジフ キム・セビョク イ・スンヨン チョン・インギ
配給:アニモプロデュース

【ストーリー】 1994年、空前の経済成長を迎えていた韓国、ソウル。14歳のウニ(パク・ジフ)は、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。学校に馴染めず、別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供たちの心の動きと向き合う余裕がない。父は長男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励ます。ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だった。ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。

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