ベルリン国際映画祭を始め44を超える賞を受賞!様々な感情を抱く思春期少女の成長『はちどり』4月下旬公開!

誰しも経験したことのあるであろう思春期特有の揺れ動く思い、そして家族との関わりを繊細に描いたキム・ボラ監督作『HOUSE OF HUMMINGBIRD(英題)』が、邦題『はちどり』として4月下旬に公開されることが決定した。併せて、場面写真がお披露目となった。

1990年代の韓国。14歳の少女ウニは、何百もの世帯が暮らす集合団地で両親、姉、兄と共に生活している。思春期を迎え、大人の世界への興味も持ち始めていたウニは、学校にあまりなじめず、別の学校に通う親友と悪さをしたり、男子生徒や後輩の女の子とデートをしたりして過ごしていた。ウニの両親は、朝から晩まで小さな店を切り盛りし、厳格な父は子供たちに学歴や世間体を求めるばかりで、彼らの心の動きと向き合う余裕がない。ウニは、自分に無関心な大人たちに囲まれ、どこか孤独な思いを抱えていた。そんななか、初めて自分の人生を気にかけてくれる大人に出会う…。

38歳のキム・ボラ監督による初長編作品である本作は、監督自身の少女時代の体験がベースになっている。1月時点で、2018年釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映を皮切りに、ベルリン国際映画祭ジェネレーション14plus部門をはじめ国内外の映画祭で44を超える賞を受賞。2019年8月に公開され、単館公開規模ながら公開一ヶ月で観客動員数12万人超、最終的に15万に迫る異例の大ヒットを果たし、かつて世界を熱狂させた韓国映画『息もできない』を凌ぐ評価を得る。

主人公・ウニは、2016年に韓国で発売されるやベストセラーとなった小説「82年生まれ、キム・ジヨン」の主人公の少女時代とも重なる。男性が優遇されることが当たり前だった時代、女性であるという理由で我慢しなくてはいけなかったこと、それがおかしいということに気がつかなかったこと。二つの作品に共通するのは、そんな時代に生きた女性の物語であり、声をあげようとする姿である。そして、それは韓国の同年代の女性の共感を呼んだ。世界で最も小さい鳥の一つでありながら、その羽を1秒に80回も羽ばたかせ、蜜を求めて長く飛び続けるという「はちどり」。それは希望、愛、生命力の象徴とされ、その姿が主人公のウニと似ていると思った、と監督は語る。映画の中で、ウニは様々な感情を抱えながら、成長し、この世界に羽ばたいていこうとする。

場面写真には、ウニ(パク・ジフ)の強い意志を秘めた凛とした眼差しや、友人との放課後のささやかな時間、そして家族とのいつもの食卓風景と、いずれも“二度と戻らないありふれた少女時代特有の風景”が収められる。

『はちどり』
4月下旬、ユーロスペースほか全国順次ロードショー
監督・脚本:キム・ボラ
出演:パク・ジフ キム・セビョク イ・スンヨン チョン・インギ
配給:アニモプロデュース

【ストーリー】 1994年、空前の経済成長を迎えていた韓国、ソウル。14歳のウニ(パク・ジフ)は、両親、姉、兄と集合団地に暮らしていた。学校に馴染めず、別の学校に通う親友と遊んだり、男子学生や後輩女子とデートをしたりして過ごす日々。両親は小さな餅屋を切り盛りし、子供たちの心の動きと向き合う余裕がない。父は長男である兄に期待を寄せていたが、兄は親の目を盗んでウニに暴力を振るっていた。ウニは、自分に無関心な大人に囲まれ、孤独な思いを抱えていた。ある日、ウニが通う漢文塾に女性教師のヨンジがやってくる。大学を休学中のヨンジは、どこか不思議な雰囲気を漂わせていた。自分の話に耳を傾けてくれるヨンジに、ウニは心を開いていく。ヨンジは、入院中のウニを見舞いに訪れ、「誰かに殴られたら黙っていてはダメ」と静かに励ます。ある朝、ソンス大橋崩落の知らせが入る。それは、いつも姉が乗るバスが橋を通過する時間帯だった。ほどなくして、ウニのもとにヨンジから一通の手紙と小包が届く。

© 2018 EPIPHANY FILMS. All Rights Reserved.