飯豊まりえが初の単独主演を務め、小説家の乙一として知られる安達寛高の完全オリジナル作にして長編監督デビュー作となるホラー映画『シライサン』が、2020年1月より公開される。このほど、本作の主題歌がCö shu Nieの楽曲「inertia」に決定し、併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。
これまで謎のベールに包まれていた怨霊“シライサン”の姿が初めて映し出される予告編は、蠢く黒い影のなか「目が異様に大きな女、捕まったら死ぬ」というシライサンの都市伝説を告げる声で幕を開ける。眼球破裂と心不全による不審死。親友の死と弟の死に疑問を抱いた瑞紀(飯豊まりえ)と春男(稲葉友)は二人で事件を調べていくうちに、恐ろしいシライサンの呪いに巻き込まれる。どこからともなく感じる視線、通り過ぎる影、誰かがいるかのような気配…。シライサンに呪われた人々は日常のなかに忍び寄るその存在に怯え、逃れられない死の恐怖に錯乱し、極限状態に追い込まれていく。そしてその叫び声の先には何とも恐ろしいシライサンの姿が。果たしてシライサンの呪いから逃れることはできるのか?迫り来る死の恐怖のなか、鬼気迫る表情で泣き叫ぶ飯豊まりえや、呪いに立ち向かう稲葉友、都市伝説の語り部となる渡辺を演じる染谷将太の姿にも注目だ。
ポスタービジュアルは、戦慄の表情を浮かべる飯豊と、その背後から忍び寄るシライサンを捉える。異様に大きな目、不気味に伸ばした手の甲には鈴のついた赤い紐が貫通して垂れ下がり、飯豊の片目を隠すように覆う。「目ヲソラシタラ、死ヌ。」という呪いの始まりを告げるコピーが、Jホラーのニューアイコン誕生への期待を煽る。
主題歌「inertia」を担当するCö shu Nie(コシュニエ)は、声の表情で魅せる切ない女性ボーカルと、繊細でカオスなサウンドが特徴的な、独創的な世界観で若者の支持を集める人気バンド。予告編では、戦慄の映像に合わせて流れる繊細な歌声が、シライサンの呪いの底知れぬ恐怖をより深く浮かび上がらせている。
■安達寛高/乙一(監督) コメント
ありがたくも私(乙一)の小説を愛読して頂いているCö shu Nieさんに、映画の主題歌を創って頂きました。死者たちの魂を鎮める愛の音楽だと思いました。中盤、慟哭と重力を思わせる重く静かなる轟音から、宇宙に解放されるような展開に、無上のカタルシスを感じます。私はこの曲を聴く度に、映画の中で死んでいった人たちの人生や、彼らが愛し守ろうとしたものについて考えさせられます。美しく奥深い世界観に感動!Cö shu Nieの音楽には「宇宙」を感じます。
■Cö shu Nie・中村未来(主題歌) コメント
こんにちは、安達寛高監督の初長編映画「シライサン」の主題歌を担当させて頂く、「Cö shu Nie」という3人組バンドです。乙一さんの作品には沢山刺激を貰っているので、今回主題歌を書けてとっても光栄です。「inertia=慣性」瑞紀達が慈しむ日常とシライサンの呪いが交わって同化していく様はとても恐ろしいけれど、彼女らの切実な想いと、パズルのピースがはまっていくように進むストーリーに一時も目が離せませんでした。愛をこめて鎮魂歌をつくりました。安らかに眠れ、いつかまた会う日まで。
『シライサン』
2020年1月 全国公開
監督・脚本:安達寛高(乙一)
主題歌:Cö shu Nie「inertia」(Sony Music Associated Records)
出演:飯豊まりえ 稲葉友 忍成修吾 谷村美月 江野沢愛美 染谷将太
配給:松竹メディア事業部
【ストーリー】 眼球が破裂した死体が連続して発見された。直接の死因は心不全だった。そして、死の直前“何か”に怯え取り憑かれたようだったという、奇妙な共通点があった。 親友を目の前で亡くした大学生の端紀(飯豊まりえ)と、弟を失った春男(稲葉友)。二人は共に事件を調べ始める。鍵を握る詠子を探し出すが、ほどなく彼女は「シライサン…」という謎の言葉を残し、眼球を破裂させ心不全で死亡した。事件に目を付けた雑誌記者の間宮も加わり、徐々に明かされてゆく“シライサン”の呪い…。核心に近づく3人の前に、理解を超えた、戦慄の事実が待ち受けていた。
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