尾崎世界観「良いライブを見ている時は自分のことを考えますね」映画『荒野にて』スペシャルトークショー付き特別先行上映レポート

長年連れ添った夫婦の絆が揺らぐ姿を描き数々の賞を受賞した『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ監督が、チャーリー・プラマー主演で贈る最新作『荒野にて』が2019年4月12日より公開される。このほど、4月2日にヒューマントラストシネマ渋谷にて本作のスペシャルトークショー付き特別先行上映が開催され、橋口亮輔監督と尾崎世界観(クリープハイプ)が登壇した。

現在ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて開催中の世界各国、あらゆるジャンルから選出された未体験映画を一挙上映する企画「未体験ゾーンの映画たち2019」の特別上映作品に選出されている本作。これまでもアンドリュー・ヘイ監督の創り上げる作品世界に共鳴し、自身もファンを公言する橋口は、映画を観て「良い映画だな、美しい映画だなというのが率直な感想。不思議な映画で、ストーリーを追っているんだけど、ずっと自分のことを考えていた」とコメント。

本作に深く感銘を受けたというロックバンド、クリープハイプのヴォーカル・ギターを担当する尾崎は、橋口の言葉に対して「人のライブとか見ていても、良いライブの時は自分のことを考えますね。今度、こういうことをしようかなとか」と同調した。

太った女の子が登場するシーンが好きだという橋口監督。「可愛いと思わない? 心を引き付けられる。あの子はスポットライトが当たらない人生じゃん。そんな子でも一生に一回、本当に輝かしい瞬間を迎えることがあると感じて」と語ると、尾崎も「子供の頃、『ドラゴンボール』とかで、すぐにやられちゃう弱いキャラクターが、どういう修行をしてきたのか考えていた」と笑顔で話した。

橋口監督から「ヨーロッパの良い監督が、お金につられてハリウッドでダメなる」という話を聞いた尾崎は、「僕はCMのタイアップ曲とかはむしろやりたい。根本は変わらない。映画だと難しいけど、音楽であればボリュームも違うので。もし、一曲ダメになっても、別の自分らしい曲で揶揄したりもできるので、映画とは多少違うかもしれない」と音楽に対する持論を展開していた。

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『荒野にて』
4月12日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:チャーリー・プラマー スティーヴ・ブシェミ クロエ・セヴィニー トラヴィス・フィメル
配給:ギャガ

【ストーリー】 小さい頃に母が家出し、その日暮らしの父と二人暮らしのチャーリー(チャーリー・プラマー)。家計を助けるために老いた競走馬リーン・オン・ピートの世話を始めるが、ある日父が愛人の夫に殺されてしまう。15歳で天涯孤独になってしまった彼の元に、追い打ちをかけるように届いたのは、レースに勝てなくなったピートの殺処分の決定通知だった。誰にも必要とされないピートの姿に自分を重ねたチャーリーは、一人馬を連れ、アメリカ北西部の広大な荒野に一歩を踏み出すが―。

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