エリオット・ペイジ「人生が完全に変わった」乳房の切除手術を受けたことを公表

『JUNO/ジュノ』、『インセプション』などに出演したエリオット・ペイジが、昨年12月にトランスジェンダーであることを公表後、初めてインタビューに応じた。米誌「TIME」のカバーに登場し、これまでの葛藤を語り、乳房切除手術を受けたことを明かしている。

▲エリオットが飾った「TIME」のカバー
エリオット・ペイジのインスタグラム(elliotpage)より

昨年12月初め、エリオットは自身のインスタグラムに投稿した声明文で、トランスジェンダーであることを公表。名前を「エリオット」に改名し、自身の代名詞を「“彼/彼ら(he/they)”」にすることを発表した。

幼少期から「男の子になりたかった」というエリオットは、10歳の頃から本格的に俳優として活動をスタート。2005年に出演した、出会い系サイトで知り合った少女と男性フォトグラファーの駆け引きを描いたサスペンス『ハードキャンディ』で注目を集め、予期せぬ妊娠をした女子高校生役を演じた2007年の映画『JUNO/ジュノ』の演技が絶賛され、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。

「TIME」のインタビューで、エリオットは「自分自身を認識することができなかった。長い間、自分の写真を見ることさえできなかった」と明かし、『X-MEN』シリーズ(2006、2014)や『インセプション』(2010)といった大作に出演するまでは、うつ病や不安症、パニック発作に苦しんでいたという過去も。「女性のTシャツを着るだけで気分が悪くなるということを、人にどう説明すればいいかわからなかった」と告白し、演技をやめることも考えていたようだ。

2014年には、LGBTQの人権団体ヒューマン・ライツ・キャンペーンが開催したイベントのスピーチで自身がゲイであることをカミングアウト。「ゲイであることを公言する前と後に感じる気分の違いは大きかった」ようだが、「体に対する不快感がなくなったか?まさか、そんなわけない」と、身体的な不快感との葛藤も続いていたと明かした。

新型コロナウイルスのパンデミックによる自粛生活の影響もあり、「多くの面で無意識のうちに避けていたと思うことに集中するため、たくさんの時間を費やした」というエリオット。「私はついにトランスジェンダーであることを受け入れ、完全にありのままの自分になった」と述べた。

さらに、乳房の切除手術を受けたことも公表。「手術をして私の人生は完全に変わった」と語っている。2019年からはNetflixのドラマシリーズ「アンブレラ・アカデミー」にメインキャストとして出演し、同作は新たにシーズン3の制作も決定した。エリオットは「この体で完全に自分自身になった今、演技をすることにワクワクしている」と答えている。

「TIME」のカバーをインスタグラムで紹介したエリオットは、「私より先にカミングアウトした方々に深い敬意を払い、私を支え、私たちが守らなければならない若い世代のトランスジェンダーに関心を寄せてくれた方々に感謝しています。どうか私と一緒に、トランスジェンダーに対する法律や、あらゆるヘイトと差別を非難してください」とキャプションにつづっている。

現在34歳のエリオットは、1997年からキャリアをスタートさせ、2002年に『Marion Bridge(原題)』でスクリーンデビュー。SFアクション『X-MEN:ファイナル ディシジョン』(2006)に出演後、『JUNO/ジュノ』(2007)で予期せぬ妊娠をした女子高生役を演じ、アカデミー賞主演女優賞にノミネートされた。以降も、ドリュー・バリモア監督の『ローラーガールズ・ダイアリー』(2009)、クリストファー・ノーラン監督の『インセプション』(2010)、Netflixのドラマシリーズ「アンブレラ・アカデミー」(2019〜)などの話題作に出演している。

そのほかの出演作は、『ローマでアモーレ』(2012)、『X-MEN:フューチャー&パスト』(2014)、『ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気』(2015)、『フラットライナーズ』(2017)など。私生活では、2018年にダンサー&振付師のエマ・ポートナーと結婚し、今年1月に離婚を発表した。