『クリード』シリーズ、『ブラックパンサー』などで知られるマイケル・B・ジョーダンが、米ミネソタ州での黒人男性死亡事件を受け、人種差別問題についてメッセージを自身のインスタグラムに投稿した。
▲マイケル・B・ジョーダンのインスタグラム(michaelbjordan)より
米ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョーシ・フロイド氏が白人警官の暴行により死亡した事件を受け、マイケルは、米ニューヨークで誕生したヒップホップ・グループ、パブリック・エナミー(Public Enemy)のロゴを前に、カメラに背を向けて立っている写真を投稿した。
赤と黒のカラーのロゴは、人のシルエットに十字のラインが入ったデザインで、マイケルは投稿で、「多くの人がこのロゴを見て警官だと思うだろうけど、実は一人の黒人男性なんだ」と説明。同グループのメンバーで、ラッパーのチャックDが生み出したこのロゴは、「ブラックの人々の背中を標的にしていることを象徴している」とのことで、「このロゴが違った目で見えたら、考え方も変えてください」とファンに呼びかけた。
続けて、「この国(アメリカ)は、僕たちの祖先の背中によって築かれている。これまでずっと、そして今月も標的となった背中は、照準線に捉えられた多くの黒人の命と何ら変わらない」とコメント。
「あまりにも多くの人が僕たちをパブリック・エナミー(=社会の敵)とみなしていて、人間として見てくれる人もいるけど、それでもまだ、僕たちはただ生きるために人間以上の存在である必要がある。より多くを求めるにつれて、僕たちは自分たちを戦略化し、体系づけ、鍛えなければならない」と、アメリカの人種差別の現状を訴えた。
ミネアポリスでの事件では、加害者のデレク・ショービンが逮捕されたが、現場にいた3人の警官は免職処分となった。マイケルは「1人の逮捕だけでは不十分だ。これは始まりにすぎない」とつづり、警官たちの正当な処罰を求めている。
黒人青年が警官に銃で撃たれて死亡した事件を基にした2013年の映画『フルートベール駅で』や、冤罪の死刑囚のために立ち上がった弁護士の奮闘を描く2019年の映画『黒い司法 0%からの奇跡』など、人種差別問題を背景とした作品で主演を務めたマイケル。今回の事件を巡り、全米各地では抗議デモが広がっており、マイケルもロサンゼルスで行われた抗議デモの現場で姿が目撃されている。
キッズモデルとして活動していたマイケルは、シットコム「コスビー」(1999)で俳優デビューし、同年『ブラック&ホワイト』で映画初出演も果たす。その後、キアヌ・リーブス主演の『陽だまりのグラウンド』(2001)や、HBOの「THE WIRE/ザ・ワイヤー」(2002)、「オール・マイ・チルドレン」(2003〜2006)などに出演したのち、主役を務めた『フルートベール駅で』(2013)で一躍有名に。以降、『ファンタスティック・フォー』(2015)、『ロッキー』シリーズの新章『クリード チャンプを継ぐ男』(2015)、『クリード 炎の宿敵』(2018)、そして『ブラックパンサー』(2018)など大作に出演している。
そのほかの主な出演作として、「CSI:科学捜査班」(2006)、「FBI 失踪者を追え!」(2006)、「コールドケース 迷宮事件簿」(2007)、『クロニクル』(2012)、『恋人まで1%』(2014)、『華氏451』(2018)、『KIN/キン』(2018)、『黒い司法 0%からの奇跡』(2019)などがある。