【全起こし】永瀬正敏、岩田剛典、森山未來が再会したい大切な人を告白!映画『Vision』上映会付き完成披露イベントレポート 全文掲載

MC:どうもありがとうございます。続きまして、ジャンヌとともに日本を訪れる通訳兼アシスタントの花を演じました、美波さんです。

美波:花役を演じさせていただきました、美波です。映画を観たあと、よく歩いて余韻に浸りながら帰ることがあると思うんですが、この映画を観たあと、なぜか東京の街が違う色に変わって見える映画になっていると思います。よろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。続きまして、山守とは違う形ながらも山を守る猟師の岳を演じました、森山未來さんです。

森山:どうも、森山です。本日はありがとうございます。僕は短い撮影期間だったんですけど、最初に台本を半分もらって、どういう話になるんだろう?と分からないまま現場に入って、河瀬さんとコミュニケーションをとりながら作品に関わらせていただいたんですけど、初号を観させてもらった時に、吉野の密度の高い山の中に生きる地に足のついた人間たちがそこにいるのに、神話じゃないけど、吉野の森に眠っていた神話みたいなものが引き出されているような、すごく素敵な読後感のある映画になっているんだなあと思って。この作品に関われて嬉しいなと思っております。本日はありがとうございます。

MC:ありがとうございます。そして最後に劇映画10本目となります、この映画の監督です。河瀬直美監督です!

河瀬:『Vision』というタイトルと、このメインビジュアルから、どういった映画だろうと謎がたくさんある、そんなイメージをされていると思います。今日は、初めて一般の方に観ていただく機会を得まして、私もドキドキワクワクしております。皆さんがこれを観終わった後に、この扉を開いて自分の人生にまた帰る時に、何かひとつ光が差し込むような思いになれたら嬉しいなと思っています。今日はありがとうございます。

MC:ありがとうございます。一般の方に初めて公開されますが、河瀬監督、改めてどんなお気持ちですか?

河瀬:先ほど未來くんも言いましたけど、神話とかファンタジーだよねと、観た方はおっしゃいます。永瀬くんでさえ「え!?」と、初号が終わった後に言ったぐらい、何が届くのか私にとってもまだ分からない作品。森に入って行くということは、旅の途中で何かがあるわけで、何を得るかは分からないけど、帰ってきた時には必ず何か違うものが、違う自分がいるのではないかと思うので、皆さんの変化を楽しみたいと思っています。

MC:ありがとうございます。永瀬さんは、初めて試写を観た時、本当に興奮して寝むれなかったとおっしゃっておりましたが、今日一般の方に初めて観ていただけるというのは、どんなお気持ちですか?

永瀬:また興奮して寝むれないかもしれませんね(笑)。皆さんどういう感想を持たれたのか。試写を観て、たぶん皆さんそうだと思うんですけど、驚いたんですよね。監督はたぶん異次元からいらしている(笑)。作品がすごい未来に持っていっていただいたような気がして。

河瀬:あとね、(会場を)見る限り私の映画を観るシニア層があまりおらず。

永瀬:(岩田を指差して)そこにその代表格が(笑)。

河瀬:原因がね(笑)。これはどういう反応になるのかというのが正直楽しみですね。

岩田:楽しみです(笑)。

MC:永瀬さんは山守という役どころで、セリフで「風のあたり方、木々の嘆き、どれもが少しずつ違和感がある」ということを口にするんですが、そういったことって実際に撮影中に何か感じられたんですか?

永瀬:いっぱいあります。山守の方に教えていただいたことが、あそこで生活していると目の当たりにするんですね。「あそこの山は死んでいるよ」というのが分かるんですよ。普段は気づけないようなことを気づかさせていただいた作品ですし、少しだけヒントを言いますと監督が書かれた本に、「今日は雨が降るよ」と誰かが言うんです。撮影中に本当に雨が降ってくるんです。監督はちょっとね、そういうところをお持ちですよね。

河瀬:ちょっと魔法が使えるんです(笑)。

MC:じゃあ雨ふらしもなく?

永瀬:そうです、全然なく。どなたかが「今日は晴れているじゃん」と言うシーンがありますが、撮影中そこに行くと雨が降ってきたんです。